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「可愛くなったね。高校生みたい」
ニッコリ微笑む雅美さんの方が可愛いのに。
「アキラさんが抑えめの色がいいって」
初めは明るい色とか言ってたのに俺はやっぱり抑えめの方が良いと言われた。
「うん。ユノはそっちの色の方が似合うよ」
俺に近づき手を伸ばす。
サラサラと髪を撫でられて、心がほんの少しポカポカと温まった。
「木に何をしてたんですか」
「おみくじ、凶が出たから逆手でおみくじを結んでた」
あーね、
悪いおみくじなら預けて行って、良いおみくじなら持ち帰る。
爺様に教えて貰った。
「でも、今年の悪い運をここで使ったんで、きっと良い事があるかな?」
ニッコリ笑う雅美さん。
なんてポジティブ。
「あの、この前言い掛けた月曜日って午後から休みだって言いたかったんですか?」
「うん。昼から一緒に初詣とか行こうって言おうとしてた」
な、
なにぃーー!
何故それを早く!
「でも、会えたからね。ユノはお詣りしないの?」
しない。
神様は信じないから。
でも、雅美さんと一緒なら………。
俺、ちょっと不純かな?
神様は信じないけど、せっかく来たからお詣りをしてみた。
願いなんてしないけど、手を合わせてる瞬間に、ずっと……このままでいれますようにって考えてしまった。
「ユノ、散歩しながら帰る?」
お詣りを済ませて戻った俺にそんな優しい言葉。
「はい」
雅美さんは俺の横に並んで歩く。
なんか和む。
春みたいに優しい感じだ。
ゆらゆらと揺れる神社の木さえも優しく見える。
不思議だなあ。
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