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おもい【勝生勇利】
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いつから彼はこんなに人に合わせられるようになったのだろう。彼は僕にこうして懸命に歩み寄って寄り添おうとしてくれているというのにそう考えると止まりかけてた涙がまた溢れてきて何度も目を擦る。
その手はヴィクトルによって止められて、指先にそっとキスを落とされた。
「焦らなくていい、無理に止めなくていいよ。さっきも言ったけど俺は待つ。それに泣きたいときは泣けばいい。感情というのは大切なものだ。でもまぁ、泣かれるのはやっぱり苦手だけどね。俺はこうやって抱き締めたり待つことしかできないから君になにもしてあげられない。未だにどうしてあげたらいいのか、脳内はパニック状態さ可笑しいだろ?」
そっとまつげを伏せて悲しく微笑みながら語るヴィクに思わず僕がヴィクトルを引き寄せて抱き返した。
「そばにいて、抱き締めて、待ってくれて…それがうれしいんだ……ヒック…ありがとうヴィクトル」
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