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剛田サァン
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んんん…恥ずい。
穴があるなら入りたい。
現実逃避したくてもゴンこと剛田さんの手にはしっかりと俺のカツラが握られていて、
爽はオロオロ俺の顔を見ている。
樹さんは苦笑いだし、食堂中の視線は俺に集中していてシーーンと時が止まったように静かだ。
うーん、どうするべきか。
不幸中の幸いで、眼鏡はしているから素顔はバレてない。
でもさ…俺のカツラってよりも剛田さんに触られた俺に嫉妬の念を送られてる気がするんだよな。
生徒会は人気投票で選ばれた順に並んでいると樹さんに聞いたことがあるから副会長の剛田さんもすごい人気ということ。
確かに背が高くてガタイもいいし(周りの男から抱かれたーいって聞こえた)顔も素晴らしく(ゴキブリ並みの俺とは比べ物にならないくらい)男らしくて俺から見てもかっこいい。
そんな剛田さんや人気投票で一位を取った樹さんに触られた俺はこの二日間でファンからすっごく嫌われたワケだ。
つまり、こうして樹さんと剛田さんの近くにいるだけで俺の好感度はガタ落ち。
これはイジメられるパターンだよな。
早くて明日には集団リンチされるやつだよな。
「私(?)たちの樹サマ(?)とちょっと仲良いくらいで調子乗ってんなよブス!!!」
とか言われるやつだよな。
否定できないから嫌だよね。周りの男たちは悔しいけどブサイクが一人もいないのだ。
ていうか、イジメられないように協力するって樹さん言ったのに、何で元凶作ってるんだよ!
ーー喋っている人がいない食堂という謎の空間。
不意に俺のカツラを凝視していた剛田さんが口を開いた。
「何でカツラ被ってるんだ?」
..........................っストレートだな剛田さん!!
「安心しろ、お前はハゲてないぞ」
もしかしなくても天然!?
っ天然なのか剛田さん!!!!!
『あ、ありがとうございます…』
天然な剛田さんの天然な発言により少し柔らかな雰囲気になり、食堂が動き始めた。正直助かった。
なんか腹立つので(理不尽)剛田さんからカツラを奪って勢いよく被った。
それを綺麗に直してくるのがまた腹立つ(理不尽)
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