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a dream for the masked boy. (仮)
growing cracks 2
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2年に入りそうな頃には傷付き、冬の寒さにも感化されたのか、
最初にはあった強気もほとんどなくなってしまい、弱まっていた。
悲しかった。悔しかった。
何より、寂しかった。
そんな僕は、『お面を被る』ことにしたのだった。
ありのままの自分が嫌われているのであれば、仕方がない。今更変えられない。
ならば隠してしまえ。
周りに合わせるように、別人のように、バレないように。
僕は文字通り、必死だった。
夏休みが開けて少しの10月頃に自殺を考えたぐらい。
でも死ぬのは怖くて、痛いのが怖くて。
僕にはできなかった。
ならば春のクラス替えを機に、自分を“変えて”しまえ。
この状況が変わってくれる事を信じて。
そっと静かに、自分に蓋を閉めよう。
お面を被るようになってから、
作り笑いをし、『帰国生』としての僕の話になれば自分で卑下して、存在感も消すようにして ….
「え〜〜」
「本当バカだよなあ」何て言って。
「あっ、やべえ、まだ“治らない”やこのくせ、あはは。おかしいよね?」って誤魔化したり。
進級してからゆっくり半年かけてお面を作り続けた結果、僕には友達ができ始めた。
ひとりぼっちではなくなった。
表向きは。
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