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a dream for the masked boy. (仮)
growing cracks 4
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まあそんな感じで、
いろんな事が合わさって、
僕の中は暗く、ぐるぐると、何かドロドロとした汚い何かで満たされ、
正直、「自分」として生きてる感じがあまりしていなかった。
そんな頃、僕は、すがるように、強く願うようになった。
僕ではもう、どうしようもないこの傷を、
誰か、癒して欲しい。
そして、一人ではもう抱えきれそうにないこの寂しさを、
埋めてくれないだろうか....
もちろん、そんな人が現れるはずがないのは、最初から嫌というほど分かりきっている。
だから僕はそれを、夢の中でしてもらう。
頭がおかしいように聞こえるのだろう。
でも夢は自由だ、僕だけのたった一つの世界。
逃げ込めるのは、空想の中だけ。
夢の中では、綺麗な人がいる。
多分、男?少し女性らしい、優しいお兄さん。
顔とか声は起きている今はっきりと覚えてないが、夢の中では誰かは知っている。
僕が特に不安定な時に現れてくれる。
「どうしたの?」って優しく聞いてくれる。
たとえ僕が話始めるのに時間がかかっても、待ってくれて、ずっと僕の目を見ながら聞いてくれる。
頭を撫でてくれたり、抱きしめてくれたり、
時には泣く事を促したり、ちょっとアドバイスをくれたり。
僕の行動に間違った事があったらしっかりと教えてくれて、軽く叱ったりも。
僕が望む全てが詰まった夢の中の人。
そして最後には決まって、
「またね、幸樹(こうき)くん。おやすみ。」って微笑んでくれて、幼い子供にするようにおでこに軽くちゅっとキスをしてくれて、
僕は意識を手放し、夢のない深い眠りに沈んでいくのだった。
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