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試験前週間ということで練習はなく隼人と一緒に帰っている。爽汰は他の奴らと遊んで帰るらしい、そんなんだから成績が悪いんだよと何度言ったことか
「それにしてももっと抵抗するもんだと思ってた」
「え?何が?」
「勉強会、面倒ならやらなければいいのに」
「ああ、それはオレ達の夢がかかってるんだ」
「夢?甲子園に行くとか?」
隼人の問いにそう、と答えて続けて言った。7月の期末試験で赤点を取った奴はクリアできるまで補習されるんだが、その補習の開始される日が丁度野球部の夏合宿の初日と被る。しかも今年は甲子園初戦負けした為3年の先輩たちは既にいない、夏の終わりに正式に退部扱いになるけど
そして空いた穴を今の2年と1年で埋める訳なんだが、この夏合宿で新たなレギュラーメンバーを選ばれることとなる、その中には1年も含まれている為補習なんか参加していたら確実にレギュラーになれない
オレと爽汰はバッテリー組んで甲子園の土に立つ事が夢だからこの最大のチャンスを逃すわけにはいかないからだ、だから期末の勉強会を開くのを渋ったが、そんなことより爽汰と一緒にレギュラーに選ばれないことの方がもっと深刻だ
だから開くことにしたのだ
「そっか・・真島のこと結構信頼しているんだな。もしかして付き合っているのか?」
「はっ!?いやいや!爽汰と付き合ってないよ!なんていうかー・・・兄弟みたいな感じかな?」
「疑問系かよ・・」
別に爽汰のことをそんな風に見たことも思ったこともない、なんていうか爽汰とは一線を越えるとバッテリーとしてやっていけなくなるような、そんな気がする
「毎回試験の度に助けを求めてくる兄弟か?随分面倒だな」
「同情するなら追い払ってくれよ」
たまにはゆっくり静かに試験勉強に励みたいものだ、オレだって成績はそんなにいいわけでもないのに
「あ、そうだ!隼人こっちに着たばかりで祭りとか知らないでしょ?」
「ああ、そうだがあるのか?」
「7月の終わりに、丁度合宿が終わる日に少し離れた大きな公園で盆祭りがあるんだ」
「へー、幸士は祭りが好きなのか?」
「おう!楽しいじゃん!旨いもんも食えるし射的とかのゲームもあるし!」
「それは面白そうだな、それならオレも行ってみるか」
「お?それなら一緒に行こう!他に色々来るけどそれでもいいならだけど」
「オレは構わない」
「なら決まりだ」
隼人は帰りに電車に乗るらしく、そこならオレの家からでも近いからということでそこで待ち合わせることとなった。顔が良い隼人だから女子も誘ってくるじゃないかと聞いたが「前にも言ったけど煩く騒ぐ女子は苦手だから、誘われても行くことはないよ」と言った。それを聞いたオレはちょっとだけ安心した
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