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ラニアン襲来-2
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夏休みでもサークルの練習はいつもと同じようにある。
今年はいつもサマーセミナーで居ない律耶が日本に残っていることで、みんな例年に増してピリッとした夏を送ることを強いられている。
律耶の家でレッスンを見て貰っている漣人はイレギュラーとして、他のメンバーはいつもと変わらず学校の練習室で稽古をしていた。
(暇だなー)
午前中に律耶の家で連弾の練習をして、午後からはする事もなく暇なのでどうしようかと天井をボーッと眺めていたら、アイスコーヒーを両手に持った律耶が戻ってきた。
横着してソファーの背もたれ越しに逆さのアイスコーヒーを受けとる。
「溢すなよ」
「大丈夫で~っす」
冷えたグラスの底をおでこに付けると、グラスいっぱいに詰まった氷が美味しそうで急にカキ氷が食べたくなった。
「俺も学校行こうかな」
律耶は他の部員のレッスンを見るためにコーヒーを飲んだら学校に出発するから、ついでに自分もついて行って学食のカキ氷を食べたい。
「外は暑いぞ」
「うーん」
時計を見るともうすぐ1時になるところで、外出するには一番不向きな時間帯だ。
最近はゲリラ豪雨が夕方だけではなく真っ昼間にも突然やってくるから降られても厄介だ。
今日は律耶が帰って来たら二人でスーパーに買い物に行って冷やし中華を作る予定だから、夕方まで我慢してアイスを食べるという手もある。
「どうしよっかなー」
夏休み中の学食は購買部しか営業していないけど、今は集中講義の期間なので食堂も通常営業している。
学食のカキ氷はシロップ掛け放題で去年は10回以上は食べたのに、夏だけの楽しみを今年はまだ3回しか堪能していない。
(行くか~)
後になって、シロップ掛け放題なんかに釣られず大人しく家で留守番しておけば良かったと後悔するなんてこの時の漣人には知る由もなかった。
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