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——ガラッ
兄ちゃん…どこ…?
「おい凜、どうした?」
「なぁ…兄ちゃん知らねー?」
「あれ?今日休みじゃね?」
「えっ…?」
「ははっ。一緒に住んでんのに知らねぇのかよ。」
「…っせぇ。」
「…は?何怒ってんだよ?おい…」
——ピシャンッ!
あぁ…バカだ俺…
またタケルに当たっちゃった。
絶対ヘンに思われたよな…
とりあえず早く帰らなきゃ。
帰って文句言ってやるんだ…
だって…
俺に一言も相談なく決めるなんて信じらんねーよ。
絶対許さねー…
『もしもしー?あらー久しぶりねー。』
「なぁ母ちゃん、兄ちゃんが留学するってほんと?」
『あらやだ、玲ちゃんから聞いてないの?』
「…またかよ。」
『さっきこっちに着いたばっかりよー。』
「…は?こっちって?」
『明後日大阪発の便に乗るらしいから、実家に来てるのよ。ママも昨日着いたばっかりなの。』
「……そっか。」
『あら…なんか元気ないんじゃない?凜はバイトが忙しいから来れないって玲ちゃんが言ってたけど…あんまり無理しすぎちゃダメよ?』
「…分かった。」
『…何だかやっぱり心配ね。玲ちゃんが発ったらあたしそっち行くわね。』
「…大丈夫だから来なくていいよ。兄ちゃんに…行ってらっしゃいって言っといて。」
『あらそう?でも…』
「…じゃあ。」
『ちょっと凜ちゃん…ほんとに大丈夫な』
——プツッ
「…ッ、……ぅっ…」
なぁ、兄ちゃん…
いつから俺と離れようとしてたの…?
ずっと…心の中では準備してたのか…?
兄ちゃんは…俺がいなくても平気なんだな。
ほんとは…俺の作ったカレーが好きっていうのも嘘で…
俺を好きっていうのも全部…得意の演技だったんだろ…?
どうせ騙すなら…最後まで騙し通して欲しかった。
さよなら、兄ちゃん…
「…ッ…ぅっ……う゛ああああぁァ……!!」
【END】
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