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執務の間に
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午前11時30分
執務中のアラン様の様子を見るためにティーセットを持って執務室へ足を運んだ。
「失礼します。アラン様、紅茶を持って参りました」
「…………」
部屋に入って声をかけてもアラン様はペンを動かす手を止めない。
「………アラン様」
「ほぁぁ?!」
隣に移動して呼びかけると、アラン様はガタッと椅子を鳴らして飛び上がった。
「…………」
「ごっ、ごめんね!気づいてなかった!!」
あたふたと執務机の上を片付けるアラン様。
ていうかさっきの「ほぁぁ」がすごく可愛いかった。
「………ほんと…可愛い…………」
「可愛いのはタイチの方でしょう?」
「っ…!きっ、聞こえっ……!?」
にまーっとアラン様が口角を上げて笑う。
何で口に出しちゃったんだ俺……!!
「………ん、おいしい」
恥ずかしさで死にそうな俺の横でアラン様はティーカップに口をつける。
満足そうに紅茶を飲み終わると、顔を近づけてきた。
「ありがとう。タイチの淹れる紅茶はおいしいね」
「………っ……!」
柔らかい唇が頬にチュッと音を立てて触れる。
「………タイチ?」
急に手首を掴まれてアラン様は目を丸くしている。
「……無防備すぎます」
「…………っ」
それまで余裕だった顔が焦りに変わって頬が少し赤く染まる。
唇がつくかつかないかの所でピタッと止めた。
「…………」
「しないの?」
「……え………」
俺のバトラー服の袖をきゅっと軽く掴んで上目遣いで見つめてくる。
「………っ……すみません」
我に返って恥ずかしくなる。
今は仕事中だ。
その場を立ち去ろうとした時、ぐいっと腕を引っ張られてまたアラン様と距離が縮まる。
あっ、と思った時には唇が重なっていた。
「………!」
「……したいならすればいいじゃない?俺は嫌じゃないよ………むしろもっとされたい」
もうしないという選択肢は俺の頭の中には無かった。
「………っん…………」
キスをしている間、アラン様は目を瞑りながら幸せそうな顔をしていたのが見えた。
「………っは………タイチ……」
アラン様のその声と、背中に回った手が心地よかった。
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