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破棄
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「んん………」
朝の日の光で目に差し込んでくる。
「タイチ………?」
隣にいた筈のタイチがいない。
昨日、想いがやっと通じて、タイチは優しく抱いてくれた。
隣で寝ていた筈のタイチがいない。
「……わぁ〜……凄い跡の数……」
身体にはキスマークがたくさん。
改めて「愛されている」という実感が湧いた。
「おはようございます。アランさ……って服を着てください!!」
部屋に入ってくるなり顔を真っ赤にするタイチ。
昨日一緒に寝たのに別に恥ずかしがらなくても……
「タイチがたっくさんキスマーク付けてくれたから嬉しくて」
「それは!その………申し訳ありません」
「………ふふっ……」
昼と夜とで一気に性格が変わる。
タイチの新しい一面を発見した。
「………そう。アラン様がそうお思いになるのなら……」
婚約を解消して欲しいとマーガレットに伝えた。
「本当に……すまない」
「いえ。アラン様がそう仰って下さっただけでも嬉しいですわ」
マーガレットは眉を下げて微笑む。
「許嫁とはいえ元は親が決めたものですもの……アラン様が他に別の大切な人を見つけても不思議ではありませんわ」
「マーガレット………」
「そんな顔なさらないで。私、アラン様と過ごせてとても幸せでした」
マーガレットは優しすぎる。
結婚だって考えていてくれていた筈だ。
「……本当に申し訳ない」
「いえ。こちらこそアラン様の傍に置いてくださり、ありがとうございました」
マーガレットは最後に「その方とお幸せに」と言い、去って行った。
「………っ………」
「…アラン様。お身体が冷えます」
タイチが俺を探しに来た。
「………タイチ………」
「………………」
タイチは何も言わず抱きしめてくれていた。
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