アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
兄
-
「あ、あに、兄上……?!」
誰か嘘だと言ってくれ
誰か幻だと言ってくれ
「まぁ……僕もこんな時間に来たのが悪かった!お楽しみ中だとはな。悪いことをした」
ドアがパタンと閉まってシーンと静まり返る部屋。
タイチは固まっている。
「……あの、アラン様」
「………ん?」
「………お兄様、ですか」
「…うん」
信じられない
なんであの人がここに居るんだ。
「申し訳ありません。すぐに退散致します。お兄様には俺から…」
「いや!俺からも言う!」
急いで服に着替える。
時計は10時55分を指していた。
何でこんな時間に……しかも何も連絡が来ていない。
2人とも一緒に部屋を出る。
リビングへ走ると、兄上は優雅に紅茶を飲んでいた。
「あれ?もう終わったのか?」
「兄上!何故此処に居られるのですか!」
混乱して詰め寄ると兄上はへらっと笑って
俺の腰を引いた。
「そりゃお前の様子を見に来たんだよ。お兄ちゃんとしてな?」
「い、いい加減になさって下さい!」
「本当の事だよ?愛する弟がこんなに元気で良かった良かった!」
兄上がぶっ飛びすぎて呆れて声も出ない。
「……で?そこの男は?」
「…タイチだよ。日本から来た俺の専属執事」
「風見太一と申します」
タイチは顔を青くして頭を下げる。
「ほぅ……」
「タイチは何も悪くないから!俺が誘ったから、タイチを悪く言わないで!」
そう言うと兄上は俺を降ろしてタイチの前に立った。
「カザミ……だっけ?」
「……はい…」
兄上はタイチの耳元で何かを囁いた。
それを聞いて更にタイチの顔が固まった気がした。
「……よし、もう遅いし久しぶりに一緒に寝よう!」
「あっ、兄上、タイチに何を…」
「アランは気にしなくていいよ」
ニッコリと俺に笑いかける。
その笑顔が怖かった。
「さぁ、案内してくれ」
「…………はい」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 31