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ハネムーン 17 (士郎side)
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龍之介は新たなタオルを広げると、その中に包み込むように肩を抱いてきた。
「……甘やかすのも、嬲るのも、オレだけでいい」
耳元でささやかれる低い声は、媚薬と同じだ。
「……っ」
散々擦られた奥が疼き、何かが溢れてくる気配に、慌てて入り口に力を込めた。
「……他は欲しがンな。オレだけ見てろ。そしたら永遠に、よくしてやる」
「……っ、だから、触るな……っ」
タオルで隠れているとはいえ、今腰を撫でられては、たまらない。
「……また火がついちまうって?」
「……っ、わかってるなら、止めろ……っ」
「やだね。ンな楽しいコト、止めるバカがどこにいる?」
触れるだけだった動きが大胆になり、布の上から双丘を揉み込むようにされて、ジン……と痺れたのと同時に、トプリ……と何かが溢れてきた。
慌ててタオルで押さえたが、羞恥に震えた。
「……あァ、溢れるほど注いだからなァ」
「……黙れ」
睨みつければつけるほど楽しげに笑うこの男を、いったいどうしてくれようかと、脳内を怒りと焦りが駆け巡る。
「何なら指で、フタしてやろうか?」
「いるか……っ」
「部屋までガマンできたら、……後で綺麗に舐めてやるよ」
見せつけるように己の唇を舐める、肉厚で紅い舌に、目眩がした。
かつてはそんな場所を舐めるなど狂気の沙汰だと思っていたのに、今では快感を知った身体が震えてしまう。
あやすように周囲をやわやわと舐める舌の動きや、尖らせて奥を穿つ舌先の熱さが、まるで現実のように思い出されて、脚がもつれた。
「……ったく、物覚えのよすぎるカラダも良し悪しだな。教えがいがあり過ぎて、心配が尽きねェわ」
まるで、どこぞの誰かを誘ってでもいるかのような物言いに、抗議の視線を送れば、
「……あンま溜め込み過ぎンなよ?」
と、冗談とも言い切れない口調で諭された。
「オマエの場合、耐えりゃ耐えるだけ、エロいオーラ出ンだからよ」
「それは……嫉妬か?」
「ハッ……、だったら?」
「悪くは……ないな」
「カワイイ顔しやがって。……ったく、ココで犯すぞ、コラ」
明らかに欲情した瞳で睨まれて、焦るやら嬉しいやら、複雑な感情の中で黙り込む。
「……ココで少し待ってろ」
プール脇の噴水の前に座らされると、タオルで表情を覆われた。
龍之介が濡れたタオルを返しに、去っていく。
ずっと体温を感じ取れる距離にいたせいか、そんなわずかな別離にも、寂しさを感じた。
帰ってきた龍之介が、肩をすくめた。
「……ンとに、何て表情してンだか。……ヤベェな、マジで、閉じ込めちまいてェ……」
「……っ」
「行くぞ」
強引に腕を引かれて、エレベーターに乗せられた。
腕で壁際に縫い留められ、獰猛な肉食獣の瞳で見つめられると、空気すら薄くなったように感じられた。
「……いくら抱いても、抱き足りねェ。……ンとに、どうすりゃイイんだか」
ぶつけられた苛立ちさえ嬉しいと思うのは、それだけ囚われている証拠なのだろう。
それでも、
「囲われてやるつもりはない。捕らえていたいのなら、おまえ自身が今より一層魅力的な男でいればいい」
その言葉は、そのまま自分にも当てはまる。
束の間、睨み合い、緊張は微かな笑みの中で溶けた。
「……ンとに、どうしょうもねェな」
「……ああ」
「いつか狂って、本気で閉じ込めたら、どうする?」
「安心しろ。何度でも正気に戻してやるよ」
捕らえて囲うより、逃がして追いかけた方が何倍も魅力的だと、身をもって教えてやろう。
「……そりゃ、心強いな」
額を合わせて、互いにどうにもならない愛しさに酔う。
そのまま、珍しくしっとりと重ねるだけの、誓いのキスのような口づけをかわし、束の間の静寂の中で目を閉じた。
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