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始動 4 (龍之介side)
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真夜中に、米軍基地のゲートにたどり着いた。
着く直前に所定の番号にスリーコール、ワンコール、ツーコールして切るのを繰り返す。
これでゲートまで迎えが来る手はずになっていた。
車の窓を開けて、身分証を提示した。
偽造パスポートおよび、特別パス。
サングラスを持ち上げて、わずかに口角を上げ、ハローと挨拶すれば、下級兵士の鼓動が上がるのがわかる。
闇に甘く溶ける声。
ポーっと立ち尽くす兵士の背後から、大きな陰がやってきた。
「……よぅ」
ブワッと熱く、それでいて冷たい風が吹き抜けた。
緊張感が走る。
「……っ、オマエ……」
思わず身構えると、ニヤリと笑われた。
「久しぶりだな。その節はヤツが世話んなったな」
目の前には短い銀髪の、見知った大男が立っていた。
何でコイツが、ココにいる……?
あらゆる想像が脳裏を駆け巡る。
敵か味方か、この場合の最悪の事態は?
不意にクッと大男が笑った。
「んな警戒すんなって。オレがゼロだ。リンから聞いてんだろ」
今度こそ、拳を握りしめた。
ゼロが組織の敵に回るとしたら、かなりマズイ事態だ。
リンとゼロが結託しているかは定かではなかったが、ゼロに関して言えば、組織の本拠地まで知られてしまっている。
迷路状の要塞のため、潜入するのは容易ではないだろうが、リンフィールド家の力は絶大だ。
ユーリにスクランブル・コールをかけて、あらゆる警戒態勢を敷かせた方がいい。
そこまで考えたところで、不意にグイッと肩を抱かれた。
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