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始動 14 (龍之介side)
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トレーニング用のリングを使っての3セットマッチで、結局は勝負がつかず、汗を拭いにリングを降りた。
するといつの間に集まっていたのやら、わらわらとギャラリーに囲まれた。
「おまえ、何者?」
「あのゼロとタイとか、すっげぇじゃん!」
すごいどころか、組織のボスが元、それも色関連のメンバーと同格と知れた日には名がすたるもいいトコだと苦笑した。
「……誰と誰がタイだって?」
そうこうしているうちに、タオルを肩にかけたゼロが気怠げにやってきた。
「どっかのビッチにあんだけしぼり取られてなきゃ、楽勝だったんだがな」
「それゆーなら、馬並みのでガンガン責め倒されたオレのがよっぽどダメージでけェだろーが」
途端にピューっと口笛が鳴る。
「マジ!? ゼロのイロかよ!?」
「色気垂れ流しで、やべーって思ってたんだ!」
「ちっげェし。オレらは単なるセ・フ・レ」
それも一回こっきりのな、と肩をすくめれば、途端に我先にと男達が迫ってきた。
「なら、オレとやんねぇ!?」
「優しくするぜ?」
「何なら抱かれる側でもいーし!」
「……おいゼロ。どーにかしろよ……」
いいかげん、うぜェ、とにらめば、
「相手してもらえよ。……足んねーんだろ?」
ニヤリと意地悪く笑われた。
「ンなワケねーし。つーか、待たせてンだよ」
できれば士郎が目覚める前に戻りたかった。
だから早く情報をよこせと、目で急かした。
「盗ったんじゃねぇのかよ?」
「ごまかすンじゃねェ。……ありゃ全部、ダミーだろーが」
あンま人をナメんじゃねェぞ?
密かに放った殺気に、ゼロが怖ぇ、とおどけて両手を上げた。
唇が近づいてきて、口内に舌が滑り込む。
周囲の歓声の中、歯にカチリと硬いものが触れた。
おかしな渡し方をするなと言いたかったが、言えない。
代わりに舌に噛みついてやる。
ジワリと滲んだ血の味を分かち合いながら、濃厚な舌を解いた。
「……おっかねぇメス猫だ。ほら、てめぇらもいい加減、散れ」
ゲートまで送ってやるとゼロが強引にこの場を収めようとすると、大ブーイングが起きた。
「もう二度と来んじゃねぇぞ?」
面倒でかなわねぇ、とゼロが肩をすくめるのに、まったく同感だとうなずき返したのは言うまでもない。
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