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8 -side理緒-
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「よかったな、理事長が犬好きで」
しれっとそんなことを言ってのける秋斗を睨みながら痛む腰を押さえてはぁ、とため息をつきながら、理事長の腕に抱かれているルイの後ろ姿を眺めていた。可愛い可愛いなんて言いながらすっごい顔がでれでれに溶けてるな、理事長…。
「ルイ…」
「は?お前、あいつにオルトロスと同じ名前つけてたのかよ」
その言葉にまた秋斗を睨んでから、俺は理事長室を後にした。
結局理事長に相談してみたところ、意外に犬好きだったという理事長がルイをもらってくれることになって。
少しそれに寂しさを感じながら、あのふわふわな毛並みを思い出して手をにぎにぎとさせていた。
そんな俺の気持ちに気付いたのか、隣を歩いている秋斗が俺の頭にぽんと手を乗せてきて。
「寂しいのか?俺が忘れさせてやろっか?」
「……っ!?
うるさいうるさいっ、黙れ…っ!」
その意味を理解した俺はまた顔に熱が溜まってきたのを感じながら、その顔を見られないように早足で歩いた。
それに秋斗が後ろで笑ったのが分かって。
心臓が、うるさい。
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