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6 -sideハルカ-
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「あんたは昔からだけどさ、魔王様も大概お人好しだよな」
テーブルに対面するように座っているウルハが目の前に置かれたコーヒーを見ながらそう呟く。
「俺がよ、飲み食い出来ねェってのくらい見れば分かるってのにさ、あの魔王様ちゃんと朝飯なんか用意してくれるしなァ」
「へぇ。…リオ様らしいな」
それに俺はリオ様のその姿が見えるようでふわりとした笑みを零した。
じゃあミズキ君、それ見て首傾げてただろうな…なんて思っていると、そんな俺を見て驚いたようにウルハが目を見開く。
「…ハルカ、あんたそんな風に笑えんだな…」
「え?」
「…だってな、自分で気づいてたか知らねーが、昔のあんた一つも笑わなかったし。それに昔のあんたは人間のことただの食い物だとしか思ってなかったってーのに、今はその人間を治してなんかいやがる。それってみんな…、あの魔王様のおかげか…?」
そのウルハの言葉にそんなこともあったかな…、なんて苦笑しつつ。
「そう、なのかな…。
…と言うよりもしそうならみんなリオ様のおかげだね。リオ様来てからいろいろと変わったし…」
俺も、周囲も、…魔界も…。
俺が人間から血を吸いたいと思わなくなったのも、こんな風に笑えるようになったのも、みんなリオ様のおかげ。
それにウルハは何度も頷きを返してくる。
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