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「じゃあどうして?」
「……主と共に居れば、いつかは必ず魔王様に会えると分かっていたから。主は最終的には悪魔に縋るしかないのだから。
それに主の中はとても居心地がいい。人間に裏切られ、それでも自分は人間と共に在りたいと願う愚かな主。でもそこが堪らなく愛おしいのだけれど」
そう言いながら自分の、と言うより、ミズキの体を両腕で抱くようにしながらふっと肩の力を抜いて。
「今日のところはもう萎えたから帰ってあげる。
魔王様。
貴方を付け狙っているのは何も私だけじゃない。気をつけて。あの人間にだけは貴方を奪われるのは許せない。貴方は私だけの魔王様なのだから。
……次に会った時には、必ず…」
ばたっ…、と最後まで言葉を紡ぐことはせずベッドに崩れさったシエルにゆっくりと近づこうとしたけど、シグにぎゅっと後ろから抱かれて見上げるように振り返る。
「シグ…?」
「理緒…、アルシエルが言ってたこと、意味分かった?」
「いや…」
「俺も分からなかったけど、…でも理緒がこいつ以外の…人間にも狙われてるのは確かだと思う。
誰かは知らないけど、気をつけてね。理緒は他人を無条件に信じすぎるから…。
…理緒がそう望まない限り、俺が理緒を護ってあげるから」
「ん…」
シエルによって上げられた熱はとうに下がり、目許にふわりと落とされる口付けにそっと目を閉じた。
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