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あいつ、昼の時の…!
あの時のことを思い出したが、
今はイライラしない。
逆にあんな状況になってるのを見ちゃったらイライラするもんもできないだろ。
「ごめん先帰ってて」
「え、雪??」
魁人に一言行って俺はそこへ走って行く。
足音に気づいたのか、4人が俺の方を向く。
シンプル野郎と目が合った。
シンプル野郎は「あっ」と声を漏らし、
少しニヤついたように目を細めた。
「おい、なにやってんの?」
俺は3人に向かって話しかける。
なんかみんな目が細くて背がでかくてデブで、言っちゃ悪いがキモイ。
「うるせーんだよてめぇに関係ねーだろ」
そいつらの1人が言った。
「そうだよ外野はひっこんでろ」
ほかの1人も言った。
「さっさとどっかいけチビ」
ほかの1人が言った。
はい、許さねぇ。
「おま「はいみんなこの人巻き込むのやめましょ、君は俺と帰りましょ」
と俺と3人の間に入ってきたシンプル。
後ろを振り返って俺の顔をじぃっと見つめたそいつは、
急に俺の手を握って。
「は?」
下駄箱とは逆の方向に走り出した。
「えっ」
ものすごいスピードで走るそいつ。
訳もわからず引っ張られていく俺。手が、手が痛い。
背中から「おい待てよ」「逃げんな!」という罵声が聞こえる。
階段を4階まで一気に駆け上がり、息が切れた。
「っ…」
ハァハァと肺が酸素を求めて動きを早める。
急に走って疲れすぎて俺は廊下に寝っ転がるように倒れた。
隣にも俺と同じように倒れて、胸を上下させて息をしている奴がいる。
「な、なにしてんのお前。」
今出る最大限の力を振り絞り訪ねた。
するとそいつは、
「そっちこそ」
と言ってフッと目を細めた。
「なに?」
「なんでさっきこっちきたんすか」
そいつは額の汗を拭いながら言った。
なんで敬語?と思ったがそれには触れず、
「あんなところ見ちゃ放っておけないだろ」
と返す。
するとそいつは俺の方をみて、
「なんすかそれ」軽く笑った。
好青年で可愛げのある笑顔に、
不覚にもきゅんときた。
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