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嘘つき
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ある日、独眼竜の旦那の所から使いがやってきた。
文を届けにきたそうだ。
「ふぅん、ごくろーさん。」
訝しがる俺様に、使いのそいつは苦笑して
「何も、卑怯な手を使うわけじゃねえよ。筆頭はそんな御人じゃねえ。・・・熱血野郎が居ねえんだってな。それで、筆頭も小十郎様も心配してらっしゃんだ。」
「へぇ、どうだか。向こうからすれば絶好のチャンスじゃん。御館様もいない今、武田での戦力つったら、旦那、と俺様しか居ないんだからさ。」
いつものことだけど、俺は武田・・・否、旦那の敵には当たりが強い。
「・・・あいつは、筆頭にとっても小十郎様にとっても、特別な存在だったんだよ。」
「・・・あっそう。」
「用はこんだけだ。じゃあな。」
「帰り、気をつけなよ。忍ってやつは怖いんだから。」
「ああ、気イ付けるわ。」
「・・・。」
残された封筒の封をきる。
嫌味なくらい達筆な文が現れた。
拝啓
少し肌寒くなってきたが、元気か。
な、訳ねえよな。
あいつ、居ねえんだってな。
うちもその話で持ち切りだ。
まあ、あんまり気ぃ落とすなよ。
あいつは俺のrivalだ。
死ぬ様な奴じゃねえさ。
Ah、もしうちを疑ってんならそれは御門違いってやつだぜ。
俺らはそんな卑怯な真似はしねえ。
俺らのほうでも探してる。
見つけりゃ、一戦交えてから送ってやるさ。
だから、あんまり重く考えんなよ。
追伸
あいつのこと、大事に想ってんのはてめえだけじゃねえぜ、猿。
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