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嘘つき
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「ここ何処だよ・・・。」
着物を着た人たちが行き交ってはいるが、どこか違和感を感じる。
建物の造りとか、雰囲気とか。
ここ戦国か・・・?
「ん?」
それにこの格好、何だろう。また違和感。
素材が違うのかな。
というか、本当にここは何処だ?
「あっのぉ~・・・。」
「はい?」
通りすがりの人を呼び止めて話を聞くことにした。
「あ、えと・・・、あ、俺旅してまして。で、ここ何処か分かんなくてですね。・・・ここ何処ですか。」
「・・・あぁ、旅人さんね!大変ねぇ。」
「ああ、はあ、まあ。」
「あ、ここはね、江戸よ。」
「え、ど・・・?」
「あら、知らないかしら。天下を御治めになった家康様の江戸城がある、江戸。」
「え、あ、家康が・・・天下を・・・?」
「旅人さん、あなた本当に何も知らないの?・・・まあ、今は家康様も病に伏してらっしゃるから政治とかしてらっしゃるのはそのお孫様だけどね。」
「あ、えと、じゃあ・・・甲斐は武田は・・・?」
「武田?・・・ああ、武田信玄。そんなのはとっくの昔に敗れて姿を消したじゃない。本当に何も知らないのね、ウフフ。」
「・・・え?今は、戦国時代じゃないんですか・・・?」
「・・・ちょっと、あなた本当に大丈夫?今は、江戸時代よ。」
「え、あ、はは・・・。ちょっと疲れてるみたいで・・・。・・・・あ、有難うございました。」
「いいえぇ!気をつけてね!」
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