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蝶散
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昼。
珍しく昼寝なんて始めた旦那を俺は(見)守っている。
主君っつーのはもう大変だ。
俺様だったら絶対気が狂う。
四六時中誰かに見られながら生きるなんて、そんな束縛された毎日なんて俺はごめんだ。
今俺は屋根裏の大体旦那の真上辺りに居る。
旦那は寝息を立てて眠っている。
しかし―
「よく寝てるね。」
思わずぼそりと呟く。
旦那は確かに注意力は低いかもしれないけど、立派な武将だ。
気配を消しているとはいえ、俺の存在に気が付いてもおかしくない。
「疲れてるんだね・・・。」
もう一度呟く。
少しくらい一人にしてあげてもいいんじゃないか。
「ちょっとだけお暇しましょうかね。」
立ち去ろうとしたその瞬間
「ん・・・、さ、すけ。」
「!」
微笑みながら俺の名を呼ぶ。
なんの夢を見ているんだろう。
旦那にとって幸せな夢だと、いいな。
フワリと
蝶が舞っていた。
部屋に入ってきて、戸棚、机、旦那の上。
一頻(ひとしきり)巡ると、旦那を撫でて出て行った。
綺麗な蝶だった。
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