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たとえ俺がお前に必要とされなくなる日が来ても。
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「ただいま戻り申した。」
「あ、おかえりー。」
家に帰ると、同居人である佐助が制服姿のままキッチンから顔をのぞかせる。
片手にはお玉を持っている。今まさに料理をしていたところだろう。
「遅くなったな。」
「んーん、全然。・・・で、竜の旦那はなんて?」
「それが・・・。」
幸村は戸惑いながらも佐助に今日話されたことを話した。
「・・・で、断ってきたんだ。ま、そんなことだろうと思ってたけど。」
「知っておったのか?!」
「旦那が鈍いだけで他の連中も察しのいい奴は気が付いてたよ。例えばほら、色恋沙汰にウザったい位に口出してくるあの人とか。」
「・・・前田、殿か?」
「ご名答。」
「・・・恋愛など、そんな軟弱なもの、男子たる者そこは・・・」
「軟弱?そうかなぁ。」
佐助が言葉を聞かずに口を挟んだ。
「恋ってのはさ、楽しいことだよ。前田の旦那も、竜の旦那も、恋してるときは凄い活き活きしてるしさ。世界が色づくっていうの?ま、辛いこともあるけどね。」
「・・・佐助、お主いつの間に色恋沙汰にそれほどまでに詳しくなったのだ。」
「え?!い、いや別にぃ?てか、俺様が知らないことなんてあるハズないでしょぉ?」
「・・・そうだな。」
「うん。」
佐助はそこでお玉に鍋の中身をすくって小皿に少量よそうと味見し
「うん、上出来。」
と頷いた。
「さて。」
幸村がその場で服を脱ぎ始める。
「ちょ、何してんの!?」
「何って・・・いつもしているではないか。」
「あ、いや、そうだけど・・・。」
「どうしたのだ。」
話しながら幸村はネクタイをシュルリとほどく。
「あ、あ、あ!!ちょ、脱ぐならお風呂場行って!!」
「いつもここで着替えているではないか。何を今更(いまさら)。」
「あ、や、だってほら、料理あるからさ!!汚れたら嫌でしょ?」
「そう、だな。行ってくる。」
「あ、そのまま、お風呂入っちゃって!!沸いてるから。」
「うむ。」
幸村が扉の向こうへ行くのを確認し佐助は
「竜の旦那も俺様も報われないなー。」
溜息交じりにそう言って苦笑を漏らした。
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