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☆雨【4】BADエンド フジヒラ
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【3】の続きからと思って読んで下さいm(_ _)m
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「あの事って、フジが知らない女の人とヤってたってこと?」
「うん、それなんだけどさ…」
「好きなんでしょ」
「え…?」
「あの女の人が好きなんでしょ?」
「そ、それは…そうだったんだけど、でも今は違うから…」
俺はカッとなって声が大きくなる。
「何が違うの!?フジは…フジはあの人とヤってたじゃん!ヤってたって事は好きなんじゃないの!?好きって、愛してるって顔して抱いてたじゃん!これの何が違うわけ!?」
「ヒラ…落ち着いて…あれはなんて言うか…誤解だったんだよ。確かに好きだったけど…でもちゃんとあの人とは別れたからさ…だから…」
「言い訳止めて!そんな言葉聞きたくない。…フジはあの人とはさ…付き合ってたわけ?」
「あ、うん…まあ、一応…」
「じゃあ、浮気ってことじゃん。
それをはい、そうですかって許すの?それで今許して付き合ったってどうせこの先気まずくなって別れるんじゃん…
同情で付き合ってくれたって何にも嬉しくないよ!
俺が好きなのはフジなんだよ!?でもフジは、他の女の人が好きだった!男でもなく女!
それって…俺で満足出来なかったってことでしょ…?違う?俺に飽きたから…愛想つかしたから女の人とヤってたんでしょ?それとも最初から俺のこと何て好きじゃなかった…?フジモテるから遊びだったの…?」
「違うよ…遊びなんかじゃなかった…俺はさヒラの事が好きだったよ…
でもあの女の人と知り合って私と付き合ってって迫られて…それで悪い気もしなかったし、本当は女の人が好きだったんだって思って…そしたら抱いてて…ヒラには悪いと思ってるよ!でも好きなものは好きなんだ…」
「じゃあ…何でOKしたの!?あの時…あの2年前!告白した時振ってくれれば良かったじゃん!
何で…こんなに好きになってから言うの…?何で…?俺をからかってるの…?どうせ俺のことなんて都合のいいピエロみたいなもんだったんでしょ?フジにとっては俺なんてただのセフレだったんでしょ…?」
「そんなことないよ!ヒラのことは好きだよ…でも女の人の方がやっぱり好きなんだって…思って…」
「じゃあ、どうしてた…?俺がフジが浮気してるのに気付かずに普通に生活してたらフジはどうしてた?」
「それは…」
「俺に隠れてこそこそと会ってたんじゃないの…?あの女の人とさ…ねぇ、そうでしょ…?ずっと黙ってるつもりだったんでしょ?フジは優しいから俺が傷つかないように隠しとくつもりだったんだよね…?
でもさぁ…フジ。もう無理だよ、俺たち…別れよ…
きっとその方がフジにとっても俺にとっても最善の方法だよ…」
灰色の雲はますますどす黒くなって次第にポツポツと雨が降ってきた。それはあっという間に俺たちの服を上から濃く染めていく。
俺たちはお互い傘もささず公園に立っていた。
「ヒラは…それでいいの?」
「それでいいとかじゃなくてさ…それしかないじゃん…このまま後ろめたい気持ちで、同情で付き合ってるって知ってて一緒にデートしたり、体を重ね合うの…?そんなの絶対に無理だよ…フジ…
フジが女の人が好きって分かった時点でもう無理だったんだよ。
でもね…楽しかったよ。フジと付き合ってた日々。
同情って思っても告白してくれた時凄く嬉しかった…人生で1番嬉しかったよ。初めて体を重ねた時、緊張してたけどフジは優しくしてくれたし、何より好きな人とって思ったら全然嫌じゃなかった。
本当に今まで…ありがとう、フジ」
作り笑いでフジに笑いかける。
心は痛くて、痛くてしょうがないのに、最後くらいは笑って終わらそうと一生懸命笑顔を作った。
それに、どうせ涙を流してもフジには分からない。
雨が涙と混じっているから。
だから、フジには分からない。
「じゃあ…さよなら…だね。バイバイ…フジ」
「ヒラ…ごめん…本当にごめん…」
フジは泣いていたのかもしれない。
でもそれは俺にもよく分からない。
フジがどんな顔でごめんって言ったのか。
どんな顔でさよならをしたのか。
涙でボヤける視界。
落ちる雨音。
全てが胸に染み込んで、大きな大きな穴を作ってしまったみたいだ。
その穴はきっと一生塞がらない。
ぽっかり空いたその穴を塞げるのは多分フジしかいないだろう。
でも、もうフジはいない。
だから穴は開きっぱなしだ。
これからも、ずっと、ずっと。
さよなら、フジ。
俺の愛した人。
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