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☆需要と供給?【2】 キヨヒラ
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「ねぇ、キヨ」
いつも通り傷を作るところを見せてあげた後、キヨに話しかけてみた。いつも話してないわけじゃないけど、こういう時はそっとしておいて欲しい人が多いからね。
「ん?なんだよ、ラーヒー。珍しいじゃん、終わったあと話すって」
「あ、うん。そうなの。ちょっと話があってね」
「何?」
「キヨにとってはおかしい話かもしれないけど聞いてね」
「早く言えってw焦れったいw」
「うん。あのね、僕キヨのこと好きみたい」
「…ん?」
間抜けな顔しちゃって。呆気にとられたみたいな顔。
もっと遠回しに伝えた方が良かったのかな?
うーん…もう遅いや。
「だからね、僕はキヨのことが好きなんだよ。隣に居たいと思うの。ずっと、ずっとね。他の人と話してたは胸がチクチクするし、顔が熱くなる。これって恋だと思う?勘違いしてたら大分恥ずかしいよね」
好きなはずの人に恋か?って聞くってこと自体も大分変だけどね。
「へー…そっか…恋なんじゃない?それは」
「気持ち悪くないの?やけに淡々と答えてくれるけど」
「あぁ、ちっとも。だって俺もヒラのこと好きだし」
「…ん?」
あ、しまった。キヨと全く同じ反応しちゃった。きっと今頃僕の顔も呆気にとられてる間抜けな顔してるよ。
「気付かなかった感じ!?俺バレたから告白されたと思ってたんだけど…」
「いや、全然…びっくりした…」
「ヒラって鈍いのなー。ずっと見てたのに」
「ずっと…?」
「そう、ずっと。ヒラが自傷行為にハマり始めた辺り。そこからずっと見てた。だからあの時わざと見つけたフリをした。そうすればもっとヒラとの距離は近付いて、尚且つヒラに対する性欲も満たせる。俺にしては良い考えだろ?」
あぁ、良い考えだね。
「そうやって昔から見てきたのにヒラは全然気付かねぇし、いつ俺の堪忍袋の緒が切れて監禁してもおかしくなかったかもしれないってくらい鈍かったなぁ。でも、もうそんなことないんだもんな?ヒラは俺のものになったんだろ?これからはずっと一緒、だよな?」
キヨは微笑んだ。優しく、ふんわりと。表情だけなら女の子なんかイチコロに落とせそうなくらい。王子様みたいに。
「うん、一緒だよ。そう言ったでしょ?ずっと隣に居たいって」
「だよなぁ。これで拒否られたら俺…何するか分かんねぇしよ。ずっと隣に居ような。離さないから」
「うん、むしろ離さないで。捕まえておいて。じゃないとどこかに言っちゃうかもよ?」
「そん時は足切り落として止めるから大丈夫。安心していいぜ」
足を切り落とされてどう安心しろと言うのか。
おかしい所もキヨの魅力の1つなのかもしれない。もしかしたら気付かなかっただけで既にのめり込んでいたのかもしれない。
「ねぇ、キヨ?僕達はおかしい?異常な性癖が沢山あるよ?」
僕には3つ。キヨにも3つ。はたから見たら随分おかしいよ?
「おかしいって思うやつには思わせておけばいいじゃん?他人の目なんか気にすんなよ。ラーヒーの綺麗な目は俺だけ写しとけばいいんだから。俺以外、いらないだろ?」
抱きしめてから、僕の目をしっかり見て話すキヨ。うん、そうだね。
「キヨ以外はいらないや。だってキヨのことこんなに好きなんだもん。狂おしいくらいに」
僕達は抱き締めあってお互いの好きを確かめた。
おかしくてもいいじゃないか、だって僕達は元からあんなにおかしいんだもの。
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