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お互い、口は開かなかった。
重い身体をベッドに委ね、遠くから聞こえる水の音を聞きながら、ぼんやりとすると頭の中時間だけが気になった。
枕元に置かれた時計は7時を回る手前で、チェックアウトの時間は8時。そろそろ準備が必要な時間ということが分かった。
すっかり疲労を溜めて重くなった体を起こし、口を開く。
「……風呂。お湯溜めてるから入りなよ。今日も仕事でしょ。」
「いいよ、先入ってきな。俺午前休むから。ケイくん今日学校だろ。」
気を使えるほどの余裕は無く、そのまま風呂場へと向かう。
軋んだ音を鳴らし開ける扉の先、浴槽からは水が溢れていた。
蛇口を捻りシャワーに切り替え、先ほどと同じように丁寧に身体を洗う。
浴槽は苦手だ。風呂に誰かと入るのも苦手。
理由は説明していないが、ヤマグチさんは一緒に風呂に入ることを強要してこない。
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