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俺が11歳の時、父が死んだ。
肝臓を悪くしていたようで、それが分かった時にはもう手遅れだった。
アル中で暴力癖。正直死んでくれてホッとした。そんな自分が嫌なのはいまでも変わらない。
母は12歳の時に浮気相手の元へと出て行った。
元々あまり帰ってはこなかったから、母が居なくとも生活はあまり変わらなかった。
15歳。もう4年も経つ。
15歳の誕生日は、ついこの間終わった。
この世界でそんな事を意識する人間なんて、自分以外居ないという事を既に俺は知っていた。
水の溜まったバスタブを見つめていると、息が苦しくなる。何度溺れたのか、もう正確な数など思い出せない。
天井から落ちた水滴が、バスタブに溜まった水を揺らした。
その音ではっと現実に戻り、自分が今息を止めていたことに気付く。
いつまでも慣れない。あと何年、何十年こうなのかも分からない。
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