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入学式 2
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まずは、学園長からの長ったらしいと思ってたら、そこまでじゃなかった話があり、後は何か色々とあった。
そして、
「生徒会長より祝辞を」
『キャアアア!生徒会長様~‼』
「!?」
生徒会長から何か話があるらしい、と思った瞬間、出席していた在校生、新入生両方から黄色い声?というのだろうか、それが上がったため、その声の大きさに思わず体が小さく跳ねた。
きょろきょろと周りを見渡してみると、何か……一言で言うと、熱狂的なアイドルのファン(女子)みたいな感じだった。
隣の彼を見たら、彼もキラキラした目で壇上に上がって来た人を見詰めていた。
ふむ…其れ程、あの人は人気なのか。
…に、しても、周りが煩い。「カッコイイ」とか「素敵」とか言ってるけど、割と騒音だと思う。
その時。
「ー騒ぐな」
放たれた一言が、音を絶った。
「…静まったな。俺が芙蓉学園生徒会長、一条 薫だ」
しん、と静まったのを見計らって話し出す彼を見上げた。
照明に照らされずとも輝く、蜂蜜のような金の髪が微かに揺れる。
アメジストのような紫水晶の瞳が会場に居る者達を俯瞰する。
堂々たる様子で話す姿は、整った容姿も含めて、確かに皆が『カッコイイ』と騒ぐのもわかる気がした。
…まぁ、それでもあんな甲高い声で叫ぶ必要はわからないけど。
そんなことを考えながら、見上げているうちに生徒会長の話は終わり、残念そうにざわめく生徒達(一部教師も居た…)を尻目に、式は進み、思ったよりさっさと終わった。
解散、と声を掛かると、皆ばらばらに教室に戻っていく。
「ふぁ…」
小さく欠伸を溢していたら、此処まで連れて来てくれた彼が軽く肩を叩いて「教室に戻ろう」と言った。
「行きも帰りもごめん」
初めて話したのに、世話をさせてすまないと思って、歩きながら謝ると、
「そんなこと無いよ、話せて良かったし」
と笑ってくれた。
彼は、栗原 柘未と言った。
そのまま話しながら、内部生だという彼に色々聞いた。
そして、生徒会の話になると、途端に目を輝かせた。
「生徒会の皆様はやっぱり素敵だよね」
…そう言えば、生徒会長が壇上から降りるとき、一瞬だけ目が合った気がしたが、気のせいだろう。
柊は知らない。その後も時折、薫は柊に目を向けていたことを。
そして…微かに笑みを浮かべていたことを。
***
久々の更新…ほぼ一年振りですね…
遅れてすみませんでした<(_ _*)>
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