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costume change the Y
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「コウスケ、大事な話がある」
「なんですかリョウヤさん。ユウへの求婚のしかたとかなら俺帰りますよ」
夜、リョウヤに呼び出されたコウスケはうんざりしながらも促されたソファに着席する。
ぼんやりうす暗く月明かりすら遮断された室内で、真顔のリョウヤと向き直ると背筋が寒くなった。
やはりユウに対して意外の彼は、本物の鬼だと認識させられる。
プライベートと本職を分けて物事が思考できるからこそ、何百人もの荒くれ者をまとめ上げられるボスとなれるのか。
コウスケに訳のわからない静かな興奮と尊敬の念が湧きおこる。
この真面目なリョウヤなら、コウスケが求めている真剣な相談をしてくれるのではないかと期待し始めた瞬間、鬼は口を開いた。
「ユウにコスプレさせたいんだけど、どうすればいい?」
コウスケの静かな興奮は、激しい憤怒へとすり替わった。
「どうでもいいわっ!なんであんたは俺を呼び出す度にくだらねえことしか相談しないんだ!
「どこがくだらない。俺は心底真面目だぞ」
「だから嫌なんだよ本当に!あーもう!勝手に考えて朽ち果てろばーか!」
好き勝手叫んで、コウスケは苛立ちながら腰を上げようとしたが、突如前方から飛来したボールペンが顔の横すれすれを通ってソファに突き刺さり、中途半端な体制のまま停止する。
恐る恐る後ろを見ると、見事に突き刺さっている黒いボールペンが、確かに存在している。
「言ったはずだ。俺は至極真面目だと。真剣に悩んでいるとも。なのになぜアドバイスの一つや二つださずに逃げようとしている。つぶすぞ」
リョウヤはすでに赤いボールペンを構えており、もし立ち去ろうとすれば次は赤く塗りつぶしてやると目が物語っている。
こんなところで本質を出さないでいいのに、とコウスケは苛立ち混じりに心の中で吐き捨てたのだった。
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