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早く僕のところに来て
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それからというもの、怖すぎてリョウヤの部屋に行けていない。
自分の部屋に引きこもって飯のときやどうしても外せない用があるときだけ、うじうじかたつむりのごとく這い出る。
そして用事がすんだら自分の家に引っ込むのだ。
僕はどう考えても悪くはないはず。
客観的に見ても主観的に見てもそう結論付けるはずだ。
なのになんでこんなに負い目を感じているのか。
自分自身の強い後悔が胸の中で渦を巻き、早めに謝ったほうが得策だと訴えかける。
でもどう足掻いても僕から謝るのはおかしい気がする。絶対におかしい。
被害者が何故先に謝らねばならない。
そりゃ言い方がきつかったかもしれないが、拗ねて鬱になるほどでもあるまいに。
大げさなんだよいちいちリョウヤは。
時間がたてばいつもみたいにベタベタしてくるはずだ。
そうどこかで確信していたのに、あの事件から二日たった今でもリョウヤと顔を合わせるどころか声も聞いていない。
なんだよ早く僕のところに来て謝れよ。あの時はちょっと大仰にこづいちゃっただけじゃん。
そんなに怒ってないから、ここまで来てくれ。
それで全部水に流して元通りになるはずだろう?
コウスケがあまりのリョウヤの鬱ように僕に助けを求めにくるまで、僕は自己嫌悪と自己保守の狭間に囚われていた。
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