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フルーツインマウス※下ネタ注意
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「これどうにか処理してくれ」
コウスケが果物がたくさん詰まっている籠をテーブルの上に置いた。
僕は読んでいた雑誌を投げ出して飛びつく。艶々とした光沢を放つ新鮮さ溢れている果物を見ているだけでおなかいっぱいになりそうだ。
「すっげぇいっぱい!これどうしたの?」
「バイト先のおやじさんがくれてな。気前がいい人なんだ」
「まあ興味ないけどね」
「じゃあ聞くな」
テンプレート通りの会話をしながらも、僕の視線は果物に釘付けだ。
フルーツは大好物の類に入る僕はどれから食べようかとわくわくしながら見比べていく。
赤々と妖艶な色素を纏う林檎か、小さな粒を大量に実らせている葡萄かそれともパイナップルか。パイナップルをきるのは大変だがコウスケならやってくれるはずだ。
「やっぱ食べやすいバナナでいいや」
それまで無関心を貫いていたリョウヤが激しく反応した。
気にしていたら埒があかないのでスルーしてちょっと腐りかけの一番おいしそうなバナナをもぎ取る。
皮を上手にむいて、中の白い身の部分をさらけ出した。
思いっきりかぶりつくと、何故かリョウヤの動きが固まった。
「なに?」
もぐもぐ食べながら問うと、リョウヤは油が切れたロボットみたいに首を捻じ曲げて僕から視線をそらした。
細長い指で鼻を押さえているリョウヤは、数秒後また僕に目を戻した。
「おいリョウヤさん。変なこと考えてんじゃないでしょうね」
少しひきながらコウスケが言うと、非難がましいまなざしを投げかけられた。
「俺はそんなふしだらな男じゃない。バナナを旨そうに食べるユウをエロチックな目で見たなど断じてあり得ない」
「の割に鼻から血液が垂れ流してるけどな。早く洗ってこい」
「はい」
「………あんた、本当に変態だね」
「変態じゃない。お前だけに欲情する普通の男だ」
「普通の男は男に対して鼻血出さない」
食べる気失せた。
齧りかけのバナナをそっと置くと、リョウヤがコンマレベルの速さで指を突き刺してきた。片手で鼻を押さえているからきまらない。
「それ後で俺が食べるから置いといてくれ」
「ダストシュート」
「あああああああ」
「………やっぱ俺が処分しとく。リョウヤさんがあさって食いかねない」
妥当な判断だと思った。
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