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ほとんど、発作的なものだった。
外はどしゃ降り
強くなる雨音
どうしようもない不安。
あいつと会えない雨の日は、
滑稽なほど震えた。
雨が、止んだら。
あいつは会ってくれないかもしれない。
傘の下で手を絡める俺達は、
太陽の下では3歩の距離。
遠すぎる。
俺はすべてを掻き消すように、
俺の下で喘ぐ"誰か"に囁いた。
『あいしてる』
その言葉が俺とあいつを繋ぐ最後の糸だとは知らずに、
あいつに伝えたい気持ちを、
伝えなくてはならない想いを、
目を逸らすように紡いで。
雨音に紛れて、聞こえなかった。
あいつが会いに来てくれたのも、
すべてが終わった音も。
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