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駐車場まで行くと、教えられた出口で蓮さんは待っていてくれた。今日は少し肌寒い。ずっと待っていたのか聞いたけど、今来たところだと言って微笑んだ。
俺はその笑顔に弱い。だから下を向いて話してしまう。
本当は蓮さんの顔を見て話したいけど、恥ずかしくて無理だ。
「すごい荷物だね。買い物多かったの?」
来るまでに買った俺の荷物を見て蓮さんは軽く驚いていた。
それもそうだ。男の俺でも手が痛いくらいに重い。
思いつくままに買い込んでしまって、いつしかこの量になっていたのだけれど…。
蓮さんは俺の手から荷物を奪い、軽々と持って行ってしまった。車までだから大丈夫だと言ったのに、蓮さんは全く聞いてくれない。
むしろ、車までだからこそだよ、と楽しそうにしていた。
全然意味がわからない俺は、慌てて後ろをついて行くことしかできなくて、車に荷物を詰め込んだ蓮さんが、微笑んだまま助手席を叩いた。
乗れってことなのか……。
笑顔で有無を言わなさないってすごいなと思った。
蓮さんって実はけっこう強引な人なのかもしれない。
俺は心の中の優しい蓮さんに、Sっ気という項目を追加した。
人は見かけによらないというけれど、まさに蓮さんがそうなのかもしれない。もちろん優しいところもあるけれど、今俺を連れ回している人はとても楽しそうだ。
車を発進させながら、外の景色を眺めていた俺に蓮さんは笑顔のまま聞いてきた。
「曲、どうだった?」
「え?」
「昨日の。RainのCD。」
駐車場から出て、とりあえず俺の荷物を置くため、家まで行ってくれるらしい。
だけど突然聞かれた質問に俺は答えられなくて、少し迷った後、誠也に貸したことと、そのまま昨日泊めていたからLINEに気づかなかったことを話した。
話してるうちに蓮さんの表情からみるみる笑顔が消えていき、誠也を泊めた話になるとちょっと怒っているように見えた。
あれ…俺そんな悪いこと言ったかな…。
内心で焦りながら横目で蓮さんの顔を見るけれど、さっきまでの笑顔はどこにもなく、完全に怒りモードだった。
どうしよう…謝るにしても、何がいけなかったか全然わかんない…。
本当に心当たりがなくて、頭の中でぐるぐる考えながら俺の家に着いて、怒っている蓮さんは荷物を持ってさっさと家に上がってしまった。
「あ、荷物、運んでもらってありがとうございました。すぐお茶入れますね。」
「…あのさ。」
お湯を沸かそうとキッチンへ向かったのだが、手を引かれて立ち止まる。自然と頭に?マークを浮かべながら蓮さんを見るけど、俯いていて表情がよくわからない。
でも、掴まれた手から初めて感じたのは蓮さんの体温と、細い指と大きな手の力強さだった。
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