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掴まれた手。伝わってくる力。細くてゴツゴツした男の人の手の感触。いつもの蓮さんのはずなのに、目の前の蓮さんはいつもと違って見えた。
「…俺があげたもの、なんで貸すの?」
そして声は、いつもよりもずっと低かった。
俺を正面に向けさせた蓮さんの表情は見えなくて、わからない。けど、これはヤバいと直感的に思った。
「あれ、プレゼントのつもりだったんだけど。俺が誰にでもそんなもの渡すと思ってんの?」
次第に口調まで変化してきている蓮さん。いや、もうここまできたら蓮様となってもおかしくない。
俺様な感じとまではいかないけど、今までにない鋭い目つきからは逃げられない気がした。
「しかも、そのまま友達を泊めたとか…。俺がどんだけ待ったか…。それこそ…練習とか手につかないっての…。」
「あ…あの…蓮…さん…?」
何かブツブツ言ってる蓮さんに恐る恐る声をかけてみたけど、返ってきたのは質問に対する答えじゃなく、明確な意思のこもった視線だった。
「……わからないなら教えてやる。」
思わず体を引きそうになったぐらいの圧力だったけど、次の瞬間には天と地が逆転していた。
目の前にあるのは蓮さんのキレイな顔と天井。そして背中に感じる柔らかい感触。
ソファーに押し倒された俺に跨って、蓮さんは今までとは違う、妖艶な笑みを浮かべた。
「俺が、どんな気持ちを抱いていたのか。」
見つめられた瞳。初めて見たその奥は、茶色だった。
吸い込まれそうな瞳が細められたかと思うと、一瞬でそれは閉じられていて俺の顔のすぐ近くにあった。
そして、唇に感じる違和感。柔らかい何かが押し当てられている感覚。
蓮さんの唇が、俺の口を塞いでいた。
「……っ…⁉︎」
気づいた時にはもう遅く、一瞬解放されたかと思うとまたすぐに重なり、今度は温かく湿ったものが唇を割って中に入ってきた。
その衝撃に思わずぎゅっと固く目を閉じ、押し返そうと蓮さんの体を押したけれど、ビクともしないどころか、さらに深く絡め取られていった。
「…んっ…ぅ…ふ…」
荒くなる息遣いに、声が漏れてしまう。
拒否しているにも関わらず、蓮さんの熱い舌は容赦なく俺の口内を犯していく。
その動きに頭も体も、全部が痺れたように動かなくなってしまって、このまま飲み込まれてしまうのかな、と遠い意識で考えていた。
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