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キーンコーンカーンコーン
チャイムが遠くで鳴り響いている....夢うつつな頭で考えてると、耳元で名前を呼ばれた。
「立花・・。立花、起きろよ、授業終わったぞ」
ツッチーに肩を叩かれ目を覚ますと、いつの間にか授業が終わり教室内がガヤガヤしていた。
「ヨダレついてるぞ」
ツッチーに口元を指され、シャツの裾で拭う。
「あーよく寝た」
「よく寝るよな、立花は」
呆れたようにツッチーは言った。
窓の外を見ると、空は暗い雲で覆われ雨が降りそうな空模様だった。
「雨降りそーだな、今日はさくっと帰るか」
傘を持ってきてないことを思い出し、机の横にかけていた薄っぺらいカバンを手にイスから立ち上がった。
「今日も来るんじゃねー?先輩」
ツッチーがニヤッと口元に笑みを浮かべた。
「あ?」
教室の入口付近で女子が何やら騒いでいる気配がすると、小野寺が現れ立花に向かって手を振った。
「立花、」
キャーっとクラスの女子の視線が、爽やかに笑っている小野寺に集まる。
自然と立花にも周囲の視線が集まり、その視線から逃れるため立花は急いで教室を出た。
「先輩、教室来んのやめろって言ったじゃねーか」
「ん?だって、こうでもしないと立花部活来ないだろ」
あれ以来、時々、小野寺先輩は部活に行く途中でオレの教室に寄る。
超迷惑だ。クラスの女子には紹介して、と頼まれるし。
「先輩が二年の校舎に来ると目立つんだって。なあ、ツッチー」
俺と先輩の後ろを歩いているツッチーに向かって同意を求める。
「まあ、そうっすね。小野寺さん来ると女子が喜んじゃって」
「ほら!」
「でも立花、お前もふつーに目立つぞ」
ツッチーに思わぬことを言われ、間の抜けた声を上げる。
「はあ?!」
ククッと小野寺は笑いながら、立花の肩を抱き寄せた。
「自覚無いんだ立花?こんなカワイイんだし、お前も十分有名だよ」
「カワイイって...。先輩ここ廊下っ」
先輩の腕から逃れ、体を離す。
二人のやり取りを見ていた土屋が、素朴な疑問を口にする。
「小野寺さんって、立花とより戻したんすか?」
「ツッチーっ!」
「俺は立花のこと気に入ってるんだけど、残念ながらそうじゃないよ」
小野寺は懲りもせず、今度は立花の腰を抱き寄せた。
「先輩!ツッチー、こんなタラシの言うこと信じんなよ!」
「立花、小野寺さんを袖にするとかすげぇな..」
誤解だ!
またしても強制的に部活に参加させられることになった。
早々に疲れたオレは、サボるため少し離れた水道に来て水を飲んでいた。
「何だもうバテてんのか、立花」
「先輩」
後ろから声がして振り向くと、小野寺先輩が立っていた。
「もう勘弁してよ先輩、オレ遊びで参加してるだけなんだけど」
「いい運動になるだろ」
立花は水道の蛇口を下に向け、両手に水を溜め汗だくの顔を洗った。
部活に参加してると、いつもより授業中眠くてしょうがない。
タオルで顔をゴシゴシと擦った。
「先輩、さっきツッチーに言ったようなことあんま他の奴に言うなよ。恨まれるのはオレなんだからな」
「何で?本当のことなのに」
どうせ先輩の一時の気まぐれだ。
「立花、オレのこと信じてないのか?」
小野寺は自然な動作で、立花の首の後ろに手を添え顔を近づける。
「先輩!ここ外っ」
「だから?」
「ちょ、誰かに見られたらっ」
「見せつけてやればいい」
小野寺はチュっと軽く口付けをし一度離れると、真剣な目で立花を見つめた。
「先輩...あの、」
立花は小野寺の真剣な瞳に戸惑いの声を上げたが、小野寺は立花の言葉を封じ込め、再び口付けをした。
「んっ....んん....」
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