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先輩と二人でテニスコートに戻ると、恩田がベンチに座っていた。
「立花、いつまでもサボってんなよ」
飯野から声が飛んで来る。
オレだけ!?小野寺先輩はいいのかよ!?
差別だ...。
その時、ポツポツと雨が降って来た。
「あー、ついに降って来たかー」
雨は次第に本降りになり、今日の練習は中止になった。
部室で、帰りにラーメンでも食べて帰ろう、と飯野先輩と何人かの先輩が話をしていた。
「立花も行くよなー」
制服に着替えていた立花は飯野に声をかけられ、返答する前に行くことになっていた。
「ツッチーも行くよなぁ」
飯野は今度は土屋に声をかけている。
別に予定はないけど・・。
「小野寺は?お前も行く?」
飯野が小野寺に尋ねると、「オレは今日、ちょっと用あるから」と断る。
「お〜、デートかお前」
「そんなんじゃないよ。じゃ、お先」
小野寺はそそくさと着替え終え、颯爽と帰って行った。
その後ろ姿を立花が見つめているのに、飯野が気づく。
「立花、小野寺来ないと寂し?」
「先輩何言って、」
「お前、まーた小野寺にちょっかい出されてんだろ?」
立花は何と言ったらよいか分からず、目線を下げた。
「あいつなあ・・爽やかそうな顔して気が多いからなあ」
・・知ってる。
「どうせ、いつもの気まぐれっすよ」
「気まぐれ、ねぇ...。小野寺にとってお前は特別なのかもよ?」
「何それ..」
「だって、あいつが別れた相手に手を出すなんて今までなかったぜ?」
結局6人程でラーメン屋へ行き、食べ終えると、そこで解散となった。
立花は一人になると、なんとなく胸にポッカリ穴が空いたような感覚になる。
ああ、今日は金曜か...。
一人誰もいない家に帰るのがイヤで、自然と足は賑やかな街に向かう。
あ・・制服だと店入れねぇな...。
ネクタイはしておらず、ワイシャツ一枚ではあったが高校生だとバレる可能性がある。
どうしたものかと店の周りをフラフラ歩いてると、ポンと肩を叩かれた。
「ケイ?」
振り向くと、アッシュブラウンの髪の男が立っていた。
「ニシ..」
「何してんの?」
会うのはアレ、以来だ。
「つか・・お前高校生だったのか?」
タバコを吸いながら、立花の姿を眺めて言った。
「あ?...ん..まあ...」
「店、入んの?」
「いや、この格好だと無理だろ?」
「あー・・でも、この店オレの知り合いがいるから、一緒に入れば大丈夫だぜ、たぶん。
来る?」
ニシの誘いに、立花は一瞬迷ったが頷いてしまった。
ニシの言葉通り難なく入店出来、店の奥の方に座った。
「じゃ、とりあえずカンパーイ」
グラスを鳴らし、ゴクッと飲み込む。
「しかしお前が高校生だったとはなぁ...やべえな色々...」
ニシは呟きながら眉間にシワを寄せている。
気づかれてなかったのか、良かった。
「....吸う?」
ニシは自分が吸っていたタバコを立花に差し出した。
立花はそれを受け取り、すうっと吸い込むとすぐに咳き込む。
「ゴホゴホっ、...なんだこれ随分苦ぇな..」
「そう?・・イイヤツなんだぜ?」
「ふーん、」
立花は不味そうに再び吸い込んだ。
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