アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Coffee 3
-
「キム、...ラ..先生?」
「立花か?もう校舎締めるから帰れよ」
「はーい...」
頬杖をつきながら、立花は気の抜けた返事をする。
「・・・立花?」
「・・なに?」
木村が怪訝な顔をして立花の机に近づいてきた。
「お前、・・大丈夫か?」
「・・・」
何が、と答えようとしたが、キムが思ったより真面目な顔で尋ねてきたので言葉につまってしまう。
木村は立花の顔を覗き込む。
「・・どうした?」
「・・あ・・、勉強の、し過ぎで疲れた・・」
「・・あ?・・」
「・・センセー、
・・帰り車乗せてってくんね?」
殴られるっ!、と思いとっさに頭を庇うが、いつになっても頭に衝撃はこない。
「・・お前なぁ、バカなこと言ってねぇで早く帰れよ」
キムは呆れた様子で言い、教室の出入り口へ歩いて行った。
「・・へーい・・」
立花はゆっくり立ち上がり、課題のプリントを机にしまった。
ああー・・、立ち上がるとフラフラする・・、なんだかなぁ・・
「・・はぁ、・・・」
「立花、早くしろよ。・・帰るんだろ?」
いなくなったと思っていたキムが入口から顔を覗かせた。
「えっ?・・あ、」
「・・家まで乗せてってやるよ」
「ええ!?マジで?・・あ、待って、」
立花はカバンをガバッと掴むと、木村の後を追った。
オレは冗談で言ってみただけなのだが、乗せてくれると言うのでありがたくキムの車に乗せてもらうことにした。
正直、この体調の中自力で帰るのはしんどかったので助かる・・。
キムの車は黒のファミリーカーで、車内はきれいに保たれていた。
「センセーの車って車内キレイじゃね?」
「あ?物置かねえからな」
「奥さんの影響?」
「オレが車内雑然としてんの好きじゃねーんだ」
ヤクザみたいなくせして、変なとこは教師っぽいんだな...
「ふーん」
「それで、お前ん家どっちだ?」
「・・センセー家に行きたい・・」
「はあ?ふざけんな」
即座に拒否される。まあ、そうだろうと思ったぜ。
「...桜木町の方」
「結構遠いな、自転車で通学してんのか?」
「そー、雨の日はバス通」
立花は、車や建物のライトが流れて行く景色をしばらくぼーっと見ていたが、車の振動が気持ちよくいつの間にかウトウトと眠ってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 63