アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
雨音9
-
親呼ぶ...とか、
カンベンしてくれよ....
「恩ちゃん、あのさ、
今回の...ただのケンカみたいなもんで...
こんな、良くあることだし、」
厳しい表情の恩田に対して、立花は努めて軽く話す。
「だから、...あんま大ごとにしないでくんね?」
立花の言葉に、恩田は眉間にシワを寄せた。
「お前な...
そんなケガして何言ってんだよ、
俺が偶然通りかかんなかったら、もっと大変なことになってたかもしんねーんだぞ?」
「ホント、恩ちゃんには感謝してる。
でも、こんなケガ、何ともねーし...」
立花は頭を上げ、ベットから体を起こす。
あ....クラクラする....
「たぶん、オレ...階段踏み外しただけだと....」
なんか気持ちわる....
立花は言葉を詰まらせ、口元を押さえた。
「立花?」
恩田は立花の様子がおかしいのに気づき、すぐ枕元に近づくと、背中に手を添えゆっくり寝かせてやる。
「大丈夫か?
....まだあんま動くなって」
あたま、ぐるぐるする...
ケガのせいか、
クスリのせいか...
あんま面倒くせーことにならないようにしねぇと
「恩ちゃん...
ウチの親来るの遅くなると思うし、オレ..家に帰っていい?」
「あ?」
「腕のケガなんて大したことねぇのに、
わざわざ病院に来てもらうの悪いし..」
立花はベットに寝そべり、縋るように恩田を見上げた。
「あのなぁ・・お前そんな状態で帰れねーだろ?」
「・・タクシーでも呼んでよ、前みたいに」
立花はヘラっと笑みを浮かべて言った。
そーいや、前も同じような事あったな..
恩ちゃんにクラブで会って、強制的に帰らされて...
...、ん?...あれ...
立花は自分の首元を触り、身につけていたモノが無いことに気づいた。
恩ちゃんから借りてた、ネックレス..
ない...
「立花、...」
「あ、オレも子供じゃねーし、こんなことぐらい自分で何とかしないとさ、
ウチの親忙しいから、こんな事で迷惑かけたくないし、」
恩田はしばらく沈黙した後、はあーっと深いため息をついた。
「...しょうがねぇな、お前は・・
ったく、帰ってもいいけど、オレも一緒に行くからな」
「へっ?」
「一人で帰すわけに行かねーだろ、そんな状態で。
・・送ってってやるよ」
「恩ちゃん送ってくれんの?..サンキュー」
「お前の親と学校にもう一回連絡してくるから、ちょっと待ってろ、」
恩田はポケットから携帯を取り出し、出入り口に向かった。
「あ!、恩ちゃん、
......オレ、倒れてたとこ
何か、.......落ちてなかった?」
「ん?着てた制服はそこに置いてあるけど、他には何もなかったぞ。
......何かないのか?」
「あ、いや、だいじょぶ...」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 63