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青空5
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全部忘れちまえばいいのに....
なんで、
思い出すんだ...
....ちがう、
そもそも、あんなの大した出来事じゃねぇし...
ただの遊びだ.....
ケガをしたのは想定外だけど、
それを除けば何の問題もない...
大丈夫...
忘れろ、
立花はしゃがんだまま、爪が食い込むほど強く手を握りしめた。
「おい、どうした?大丈夫か?」
立花の様子が気になったのか、後を追ってきた木村の心配そうな声がした。
「具合悪ぃのか?」
「...........何でもない...、大丈夫、」
グッと歯を食いしばり立ち上がった途端、頭の中がグラッ、とした。
「立花っ!」
ふらついた身体を横から腕で支えられ、急にキムとの距離が近くなる。
...、キムの匂い....
「.....あの、センセー.....、
恩ちゃんに病院行くのまた今度にするって、伝えといてくれね?......」
「いや、そんなことより...、お前大丈夫か?」
木村は立花の前髪をかき上げ、顔を覗き込んだ。
「...ちょっと、立ちくらみしただけ...。ただの寝不足だし....大したことねーよ、」
「....熱は無いみたいだな、」
立花のおでこに手を当て木村が呟く。
「保健室行くか?」
「...もう、今日帰るだけだし、
...その辺でちょっと休んだら帰るし、だいじょぶ...」
立花が木村から離れようとすると、逆にグイッと木村に身体を引き寄せられた。
「ぅわっ!センセ、ちょ、.....」
「立花、.....少し大人しくしてろ、」
いや、あの、はたから見たら抱きしめられてるような格好なんだけど...!
誰か来たらどーすんだよ、ってか急に何!?
「あの、」
キムの真意が分からず、腕の中から出ようとすると、
「いいから少し黙ってろ、」
ドスの効いた低い声で制され、立花は動きを止め黙った。
一体何なんだよ....
身動きの取れるような、弱い力で抱き寄せられた立花は、しばらく逡巡した後、木村のシャツをそっと掴んだ。
ちらっと木村の顔を見上げた立花は、表情の読めない木村の様子に戸惑いながらも、おずおずと胸板に顔を寄せた。
いいのかな....?
木村に拒否するそぶりがないことに安堵し、ふっと身体の力を抜いた。
誰かに、見られたって、
オレ知らねーからな....
いつの間にか身体の震えは完全に消えていた。
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