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青空6
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「暑くねえか?
なんでも遠慮なく言えよ」
「....だいじょぶ、」
オレは、何故かまた、キムの車に乗ってしまった。
キムに「送るか?」、と言われオレは断ったのだが....、チャリで帰る、と言ったら強く止められた。
「時間、遅くなっちまって、悪かったな」
キムが部活の指導を終えるのを待って学校を出たので、すでに日は暮れていた。
「全然ダイジョーブ、どーせ家帰っても暇だし...」
早く家帰ったって、何もやることねーし....
「センセーってさぁ.....、」
立花は隣で運転する木村の方は見ず、前を向いたまま、気になっていたことを尋ねてみた。
「何だ?」
「こーいうふうに.....、生徒のこと、良く、車に乗せたりしてんの?」
「あーー・・・」
微妙な反応を返され、立花は思わず隣で運転する木村の顔を見た。
「.....?」
「.....いや、......あー....っつーか、自分の車に生徒乗せたりすんのはホントはダメなんだよ、」
「え、?」
「そんなに乗せることはねぇけど、.....、まあ、あんま他の奴に言うんじゃねーぞ?」
知らなかった.....そうなんだ...
「....ふーん....分かった....」
立花は頷き、そう呟くと、真っ暗な窓の外に目を向けた。
「....あ!」
「どうした?」
窓の外、夜の空に、遠くで白い光が上がった。
「...花火....、あ!また上がった.....」
花火が次々に上がり、咲いては消え、咲いては消える。
「.......ぉおお................」
「花火大会か?どこで上げてんだろうな」
「......センセー、花火見てこーぜー」
ドン、ドン、ドンッと光に遅れて、花火の音が聞こえてくる。
「あ?」
花火が上がるたび、空を見上げる立花の顔が光で照らされる。
「ぉぉ....、スゲー.....」
「.....しょうがねぇな。
近くまでは行けねぇけど、少し、この辺で車止めて見るか?」
窓に顔を近づけて見上げている立花を見て、木村は路肩に車を寄せた。
「えっ!?いいの?」
立花が瞳を輝かせて、木村の方を振り返ると、木村は声を上げて笑った。
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