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部室2
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何なんだキムのやつ・・・
立花は木村から解放され、更衣室で着替えながら、モヤモヤと苛立ちを抱えていた。
生活指導のくせに、男相手にキスするとか...ありえなくね?
ってか、アレはそもそもキス..なのか。ただの嫌がらせじゃね。
俺みたいなのは何しても許されると思ってんのか....あの暴力教師...クソ!
死ね!
ガンッ
立花は思わずロッカーを拳で殴っていた。
「誰かいるのか?あれ、立花?」
入口を見ると、パーカーにハーパン姿の男が立っていた。
「先輩、、、」
「なんだよ久しぶりじゃん、元気にしてたか?」
「はあ、」
男は、立花の髪をぐしゃぐしゃと撫でた。
「なんかお前ちょっと変わった?少し派手になったな」
「いや、先輩にはかないません..」
立花を撫でてる男は、立花よりももっと明るい髪色をしていた。運動部とは思えない姿である。
「こんなに空けてなかったよな?」
立花の耳朶に触れ、左2つ、右1つ付いてるピアスを撫でた。
「似合ってんじゃん。
で、いい加減部活に来る気になった?」
「いや、今日はちょっと...」
立花が口ごもると、男の顔から笑みが消えた。
「はあ、何だよ?お前何ヶ月も来てないんだから、顔出せよ」
ドサっと肩に腕が回される。
「さっきまで校庭走らされてたんで..」
「じゃ、準備運動バッチリじゃん!」
「........。ウェア無いし..」
「俺の貸してやるよ」
「ラケット持ってきてないん、」「貸してやるよ」
回されている腕により一層力が込められる。
「さあ、立花、部室行くぞ」
「勘弁してくださいよ、先輩...」
強引に連れ出された立花は、うなだれながら歩いた。
「ツッチーも来てるぞ」
「そりゃあいつはエースですからね」
部室に向かって、暗雲とした気持ちで廊下を歩いていると、後ろから声がかけられた。
「飯野!
急にいなくなるなよ。どこ行ってたんだよ」
男は、立花に回した腕を離さず、クルッと振り向いた。
「小野寺。じゃーん! そこでイイもの拾ったぞ〜」
笑顔の飯野は、自慢気に立花の肩を掴み、小野寺に差し出した。
「・・立花・・」
ああ...会いたくなかった...
この人がいるから、
来たくなかったんだ。
「・・小野寺先輩・・・」
立花は、そのまま飯野に連行され、部活に参加するハメになった。
「お、珍しい奴がいるな」
立花が練習に疲れ、コートのベンチで一人休んでいると恩田が声を掛けてきた。
「センセイ」
「立花が部活参加するなんて珍しいな。どうした?」
飯野に無理矢理連れて来られた経緯を説明すると、恩田はブッと笑った。
「そりゃ災難だったな」
全くだ。
元はと言えば、校庭走らされたせいじゃね?
そしてその原因は、恩ちゃんじゃね...
「お前でも先輩の言うことなら聞くんだな」
恩田がもの珍しそうな顔で立花を見た。
「相手は無敵の3年生なんで」
「先生の言うことは聞かないのになぁ」
「はぁ?聞いてんじゃん」
その時飯野が「試合やるぞー」と立花を呼んだ。
立花はその声に応え、借り物の上着を脱ぐ。
「あ、センセイ。後でアレ、返すよ」
胸元をトントンっと指した。
「あ、ああ。・・別に、お前持ってれば?」
「え?だってこないだ、」
「ほら、飯野が呼んでるぞ。早く行け」
恩田に追い立てられ、立花はベンチを後にした。
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