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部室3
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日が暮れ、練習が終わり、立花は部室でぐったりしていた。
「立花、またなー。これからはもう少し練習に参加しろよ」
飯野は立花に声をかけると、颯爽と帰って行った。
他の部員達も「お疲れー」と言い続々と帰って行く。
あー疲れた、もう動けねぇ・・。
試合の最後の方は、スタミナ切れで体がついていかなかった。
ガチャ
「あ、立花...。まだいたのか。もう誰もいないかと思って」
小野寺は、机の上で仰向けに寝ている立花を見て呟いた。
「居て悪かったな」
「誰もそんなこと言ってないだろ」
言ってるっつーの。
「・・立花と顔合わせたの、久しぶりだな」
小野寺は、立花から少し離れたとこにある椅子に座った。
「・・・・・」
「なあ、立花が部活来なくなったのって、オレのせい、だよな」
「別に...」
そういうわけじゃない、と言いたいが小野寺が原因であることは明白で、否定しきれない。
「・・オレのせいだよ。ごめん..」
神妙な様子で頭を下げられ、立花はいたたまれなくなる。
「先輩、オレも納得して別れたんだから、謝んなよ」
謝れられても、今更どうしろというのだ。別れて数ヶ月も経つのに...。
小野寺先輩とオレは、以前付き合っていた。
去年の冬、「他に好きな奴出来た」って先輩に言われ、あっさり振られた。
言われた時はぶっちゃけ傷ついたけど、どこかでだろうな、と納得していた。
先輩は、成績優秀・スポーツ万能で、見た目もイイから、ぶっちゃけ超モテる。しょっちゅう女の子に告られている。
そんな奴が、何故か男であるオレに告ってきた。
先輩の押しに負けて付き合うことになったが、結局長続きはしなかった。
それで、別れてから何となく居づらくて、部活から足が遠のいていた。
「別に、今さら先輩が謝る必要なんてねぇし、オレも、もう気にしてないから」
机からむくっと体を起こして、オレは先輩に向かって言い放った。
もう、シャワー浴びて帰ろ。
立花が棚に近づきタオルを取る気配に、小野寺は顔を上げた。
「・・立花、」
小野寺は椅子から立ち上がり、立花にゆっくり近寄る。
「立花は、オレが立花のこと好きじゃなくなったって思ってる?」
先輩は真っ直ぐオレの目を見つめながら言った。
「は?何言って、」
立花は、小野寺の真剣な様子に気おされ、少し後ずさった。
「オレ、最近付き合ってたコと別れたんだ」
「え!?そ、そう」
オレが振られる原因になったコか?
「オレ、・・今でも立花のこと・・好きだよ」
小野寺は真面目な表情で告げた。
「は?!」
ドン...
立花は想定外の展開に驚きの声を上げ、背後が壁であることに気づかず後退り、背中がぶつかった。
「じゃあ何で、別れるなんて...」
「あの時他に好きな奴出来たってのは、本当。でも、立花のことキライになったわけじゃない」
何だそれ、都合良すぎだろ、
「立花は、オレのことキライになった..?」
小野寺は、そっと立花の頰に触れた。
びくっ
「べ、別に嫌ってるわけじゃないけど.......
てか、好きとかキライとか正直よく分かんねぇし...」
そもそも先輩と付き合ってた時も、好きとかキライの線引きがよく分からなかった。
立花は小野寺と面と向かい合っているのに耐えきれず、俯く。
「・・立花は、前も付き合うって形にとらわれるのイヤがってたよな」
小野寺は立花の薄茶色の前髪をよけ、立花の瞳を覗き込む。
「・・立花、
オレに触られるの、イヤ...?」
「・・!」
「オレは立花を見てると、どうしても触れたくなるよ...」
「あの、先ぱ、」
小野寺は立花の瞳を見つめながら、ゆっくり立花の唇にキスをした。
「っ.....!」
そっと触れるだけのキスをすると、固まっている立花を抱きしめ耳元で囁いた。
「何でかな...立花に誘われるんだよ...」
「何言って、」
「自分では分かってないだろうけど、立花は時々そういう目してるよ」
「先輩、」
「寂しそうな、かまわれたがってる目」
「あの、ちょっ、耳元でしゃべんのやめ....」
立花は耐えきれず身をよじる。
「何で、・・感じる?」
小野寺はクスッと笑って、フーッと耳に息を吹きかけた。
「やっ...も、オレ帰る、」
「そう?」
立花は小野寺の腕から逃れようともがくが、小野寺は一向に力を緩めない。
「はなせ、って...」
「そういえば、立花、少し雰囲気変わったよな..」
立花の髪に手を差し入れながら囁く。
「先輩...... ! 」
「何か、前より危なっかしくなったな...」
小野寺はそう呟くと、立花のうなじに顏をうずめた。
「ちょ...!!んっ」
立花はイヤがって身体をよじるが、唇で吸い付くたびピクっと反応する身体に小野寺は笑みを浮かべた。
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