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ぼんやりとした意識の中で悲鳴に似た何かが聞こえて、冴島は漸く目を覚ました。寝ていた事にすら気付いていなく、最早今の状況がなんなのか理解出来てもいない。目に移る光景の一つ一つをパズルのピースの様に繋ぎ合わせて、その絵が次第に見えて来た頃には全身から血の気が引くほど深刻な状況にある事に気付いた。
「なんで…誰も…」
料理や酒はテーブルに置かれたまま、金塚や中森らの姿は無くなっていた。帰ったのかと思ったが、自分を放置して帰らないだろうし、かと言って他に思い当たる事もない。
どうしたらいいのかと辺りを見渡して、ふっと隣の部屋の存在が目に付いた。そういえば隣で寝泊まりも出来るんだったと思い出し、そっちで寝ているのだろうかと立ち上がり襖に手を掛けて気づいた。
先程から聞こえるこの音はなんだ。
音というよりは声だ。
甲高い声は捉えようによっては甘くも聞こえ、悲鳴にも聞こえる。
冴島はそっと襖をスライドすると、中を覗き込んだ。
そして驚愕する。
「…はぁ、金塚くん…やっぱり君はいい…想像以上だよ…」
「…ひ…っあ…ぐ…もぅ…!」
木部に両手を拘束されている金塚に、中森が上から覆い被さり無遠慮に腰を振っている。
なんなんだ、この光景は。
冴島は到底理解出来ない映像をただ呆然と見ていた。
中年太りした肉の塊の様な肉体が、白くほっそりとした綺麗な肢体を思うままに貪っている。腰を打ち付ける音が断続的に聞こえ、その度に金塚の口からも声が漏れる。暗い部屋で行われている事は間違いなく性行為。それもクライアントと先輩が、男と男が、乱れながら狂った様に快楽に身を投じている。
「あぁ…もうイきそうだ…」
「イッて…下さい…っ!んぁぁ!!」
中森が今まで以上に乱暴に腰を振り、金塚の腰を持ち上げると両手で鷲掴みにしてひたすらに打ち続けた。それを数回続けた後に中森は呻き声を上げて果てた。
2人分の荒い息遣いが部屋を満たし、その姿を普段と変わらない表情で見下ろしている木部。
一体何が起きているのか分からない。
冴島はただその情景を目に映しているだけで、意味なんて分かっていなかった。そもそもこれに意味なんてあるのかどうか、それも分からないのだ。
果ててから少しの間金塚の上にのしかかっていた中森が漸く体を起こした。ついでと言わんばかりに乱暴に金塚の中から自分のものを抜き取ると、そこからドロリと流れ出したものを見て厭らしく笑う。
「たまらないねぇ。これで金塚くんが女だったら妊娠したかも知れないねぇ。」
そう言って笑う中森だったが、金塚は何も言わずに呼吸を乱したままだ。
「金塚くん、今日の事はこれでチャラにしよう。いいね?」
中森にそう言われて初めて「…ありがとうございます」と金塚が口にした。
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