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寝返りを打とうとして金塚の体は軋み、不意に小さな呻きを漏らした。
重い。体も、その上に伸し掛かる腕も。
静かに振り返ると冴島のあどけない寝顔がそこにあった。
昨夜、初めてセックスをした。
今まで経験した事のない快感だった。
過去のどんなセックスよりも、最高に気持ちが良かった。
それは冴島も同じで、事後、冴島は同じことを金塚に囁いた。
正直、過去の事を言われると腹に何かが溜まる感覚があったが、それの何よりも良かったと言われれば愉悦を感じる。
単純なほど、愛に溺れている。
そう自覚した。
「…暑い…」
密着した体が朝の陽射しと混ざって必要以上に暑かった。
ベッドから抜けようとすると、それに気付いた冴島が呻きながら目を覚ました。
「んん…おはようございます」
「…ん…おはよ」
「…体、平気?」
「あぁ…」
本当はあまり平気じゃない。
お尻は痛いし、無理矢理広げられた股関節も悲鳴を上げている。
腕だって長い事掴まれて、押さえつけられていたから鈍い痛みが残っている。
でも、これだけ全身が痛くても、それも快楽に変換していたのだから、セックスとは恐ろしい。
「金塚さん」
「うん?」
「好きです」
「……あっそ」
「えー、金塚さんは?言ってくれないんですか?」
「知らない。シャワー浴びてくる。」
「待って」
腕を取られて引き留められる。こんなこと、もう何回目だろう。
「言ってくれないと離さない。」
そうは言うが、拘束自体はそんなに強くない。
金塚の性格を見抜いているから、無理矢理言わされたという理由でもなければ、素直に言わない事を分かっている。だからあえて、理由付けをしただけだ。
「…めんどくさい」
「言って。じゃないとこのまま一緒に風呂入るよ?」
「……あー…す、す…」
「んー?」
ニヤニヤと厭らしく笑う冴島の顔が無性に腹が立つ。
昨日、あんな事を言わなきゃ良かった。
『嘘じゃなく、きみが好きだ』
そう告げた後、冴島は見たこともないような嬉しそうな顔をした。
金塚の気持ちなんてすでに気付いていたのに、本人の口からその言葉を聞けるのとは違うのだ。
それも、嘘じゃないとわざわざ言った。
そもそもその気持ちが嘘ならば、セックスだってしていないのだけど。
それでも聞きたかったその気持ちは、金塚にも分かる。
そのせいでその後は散々だった。
これ以上ないほどに激しい抽送をされて、声が擦り切れるほどの悲鳴を上げた。
本当にどうにかなってしまうと思った。
何度も何度も貫かれ、擦りあがる体を力づくで引き戻されて。
「好きだ」という甘い囁きを何度も耳元で囁かれた。
やめてくれという懇願は聞き入れられるわけもなく、深い口づけと共に冴島は金塚の中で吐精した。
熱い飛沫が中を濡らし、犯していく感覚が分かった。
長い射精の後で、体を起こして少しずつ抜き出ていく冴島の陰茎を、後孔は名残惜しそうに締めた。
小さな呻きが上から聞こえて、ふと見上げると眉間に皺を寄せて、何かに耐えている表情を冴島は見せていた。体から抜け切った後、冴島は小さくため息をついて余韻に陶酔しているが、金塚には余韻を楽しむよりも猛烈な睡魔が襲って来た。
だが、冷静さも取り戻しつつあって、はたと気づいた事があった。
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