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金塚の頬に添えてあった手が、するっと下に降りて来てシャツのボタンに手を掛けてきた。
淀みなく上からボタンを外していく手早さはある意味感心してしまう。
だが、それを黙って眺めているわけにもいかないのだと、ハッと気付いてようやくその手を掴んで止めた。
「こら、何してる」
「久しぶりに会ったんですよ?」
「だからなんだ」
「恋人同士が久しぶりに再会してやる事くらい分かるじゃないですか」
「オセロだな」
「まぁ楽しいですけど違います」
「ジェンガか」
「木のブロックを突いてる場合でもないでしょ。どうせ突くなら穴…イタッ!」
金塚が「変態!」と言いながら冴島の頭を叩いた。
「痛いなぁ」
「おまえが変な事言うからだろ!」
「別に変な事なんて言ってませんよ。再会した恋人同士が愛を確かめ合うなんて普通の事じゃないですか。」
「変なのはそこじゃなくておまえの言い方だよ!」
「普通でしょう。金塚さんもウブな事言いますね。」
「うるさいよ」
「今まで百戦錬磨だったでしょ?」
冴島はそう決めつけてかかるが、金塚はそれを完全に否定した。これまでの会話を見れば、百戦錬磨は金塚ではなく冴島の方だろう。
外見だって若くて非常に気持ちのいい好青年だからこそ、冴島の一声でコロッと絆される女性の姿など容易に想像が出来る。
想像出来るので、ムカついた。
「…だったらなんだよ。アブノーマルなセックスでもしろっていうのか?」
「行く行くはそんな事があってもいいっすけどね。今はそんな事より普通にセックスがしたい。」
「やだ」
「お願い」
「変態」
「好きな人の前ではどんなイケメンも変態になりますよ」
言いながら冴島は再び金塚のシャツに手を掛ける。金塚もその手を掴んではいるものの、抵抗するだけの力はくわえていない。それを冴島も分かっていて手を止める事はなく、瞬きを数回した後には全てボタンは外されて、シャツの開いた隙間から腹を撫でて来た。
無意識に腹筋がピクッと揺れるが、冴島は気にする事なく手を上に滑らせて行く。
「…冴島」
「なんですか」
「…冴島…」
「……」
何とは言わず、冴島は金塚の顔を見上げている。その口はわずかに微笑んでいて、金塚が何を言うか、それを楽しんでいるようだ。
「冴島…、おかえり」
金塚が恥ずかし気に、でも喜びを隠しきれない顔で言うと、冴島は金塚のかすかに割れた腹筋の溝に唇を這わせ、「ただいま」と囁いた。
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