アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
それとこれとは別ですから
-
「本当に囲碁が好きなんですね」
「実際碁より面白いものは無いから。
お前もやってみたら?
何なら手とり足とり教えてやるよ?」
「囲碁習ってる時間より
手や足の方を取られそうで結構です」
「言うね~でも、俺も碁だけは真面目にやるさ。
神聖な真剣勝負だからな」
「…………先生」
良い事言ってるとかなんて
俺、ごまかされませんよ?
サッカーも真剣勝負です。
……ええ、ホントにね。
「もし囲碁という手が使えなかったら
どうするつもりだったですか?」
「その時は別の手を考えるまでさ、
お前の気を引く為には努力を惜しまないよ」
「…………」
取ってつけたような文句。
この人ほど“努力”という言葉が
胡散臭く感じる人もそうそういないと思う。
でもちょっと気恥ずかしくなって
俺も負けじと取ってつけたように言い返す。
「ゴリ押しにでも棋士になれば良かったのに」
「棋士になってたら、高校男児とは知り合えないし、
第一お前とも出会えなかったからな~良いんじゃない?」
「言いますね~」
「うんうん、だからキスさせて」
「アハハハ。
今までの話が全部嘘臭くなるから
そういうことはやめましょうね~」
ギュッッ。
と、先生の手の甲を思いっきりつねってやった。
「イテテテテテッテテテ」
だいたい高校男児うんぬんのフレーズも
必要なかったでしょうが。
全く見直させる気があるのかないのか
決めて欲しいんだけど、もう。
でも、
「ありがとうございます」
「どういたしまして、だからキ……」
「コラコラコラコラ~」
ギュウウゥッゥ。
「いてっっ」
ったく、すぐ調子に乗るんだから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
39 / 187