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禁呪
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そ、そうだ!!マスク、マスク何処だっけ??
確かかスポーツバッグの中に入れっぱなしであった気がする。
早くこの人の口に装着しなければ手遅れになってしまう。
この人よりもうちの学校とメンバーの
名誉のために、封じなければ!
これならいつもの様にボーッと寝ていてくれた方が数万倍マシだ。
サッカーのことなんか興味もないくせに
負けん気と余計な正義感だけは強いんだから。
無理やりつけさせたマスクで暴言が見た目には
おさまってるように思えるかもしれないが、違うよ。
マスクの端から漏れ出てくるお経のような不快音。
ヤバイ、まだ何か仰りたいことが山程あるようだ。
何とかならないのか……この人は。
「ちょっとちょっと先生、先生……」
ダ、ダメだ。
禁呪を詠唱でもしているかの如く集中していて
俺の言葉がまるで耳に届いていらっしゃらない。
し、仕方ない、最後の手段だ。
「…………あーあ、いま静かに試合観戦して、
更にチームが勝てくれれば……
キスくらいしてあげてもイイのになぁ」
「本当だな?」
フクロウがぐるりと首を捻って見るように
こっちを見た紺里に思わずギャーと悲鳴を上げそうになった。
―――てか、首どうなんてんの!?
「約束だぞ」
その微笑みからはさっきまでの
禁呪を唱えていた人と同一人物とは
とても思えない程の爽やかさで……
まさか、最初っから聞こえてるとか言いませんよね?アナタ。
「……良いから、前を向いてクダサイ」
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