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未完成即興曲
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「ららら~らん」
鼻歌を歌ってるのは生徒でもましてや俺でもない。
恐らくは自作の即興曲であろう
調子外れの曲を披露をしているひと、
ご紹介しよう、我がサッカー部の紺里監督だ。
ええ、そうです。うちの顧問の監督様です。
朝からずっとこんな調子で段々自作の歌が鼻歌から
なんとちゃんとした完成した曲へと変化しつつあるくらい繰り返している。
「オイ秋一、監督よぉ、なんか歌ってねぇ?どうした?」
その質問は今の日野で七人目。
何故、みんな俺に聞く?
直接本人に聞けばいいのに。
どうせ気にはなっても、あの面倒くさい人に
関わるのが嫌なんだろうけど。
「…………さぁ?」
―――聞かなくても理由が分かる自分が嫌だ。
今日は月に一度、例のヤンキー高のチームが練習試合に来る日。
つまりあのお気に入りの生徒監督が
来校してくるのがよっぽど楽しみらしい。
まさか皆にそんなフザけた理由がいえない俺は
ただただ、宝くじでも当たったんじゃ
ないかなぁ?と誤魔化すしかなくて。
「なんかあったか?今日」
その人と譜都キャプテン、俺以外は
交流試合自体、忘れているメンバーが殆どなのに。
しかーし!
待てども待てどもその肝心の
ヤンキー軍団はなかなか姿を現さない。
既に約束時間は優に一時間を過ぎても、
一向に来る気配も連絡すらないってどういうことだよ。
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