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俺がタイプって言ったじゃん!
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なんだよ、なんなんだよ!
俺のことがタイプとか言ったくせに。
あの人より俺の方が……可愛いとか
言ってませんでしたっけ?確か。
別にホントそこはどうでもいいけど!
(あの人らの事よりデーター取んなきゃ)
何で俺があの人のテキトーに言った事に
振り回されなきゃいけないんだよ。
あの人の勝手さは今に始まったことじゃなし、放っておこう。
(そうだ、俺には関係ない、全然。
それより自分の仕事を……)
「いやいや、馬鹿にしてないって、可愛いと思ってさぁ」
再度楽しそうに笑う紺里監督の声が
聞こえてきた瞬間、俺は思わず立ち上っていて、
「監督!ちょっと確認したいことが
あるんで向こうのベンチに戻ってきてくれませんか?」
気付くと相手チームのベンチいた監督の腕を掴んでいた。
「あ、この子はうちのマネージャー宜しくな」
俺もおざなりにしか頭を下げなかったけど
向こうの先輩は頭を下げるどころか、
口角を少し上げただけで一言も発することなく
目深に被った帽子で表情すらも見せないまま前方に向き直った。
は?この人何様??ムカつく。
この人にも、監督にも本当に超ムカつく!
「ホラ、行きますよ」
襟首を掴んでうちのベンチへと引きずり戻した。
「何やってるんですか?監督。
交流試合とはいえこれは歴とした試合なんです。
監督同士の親睦だけを深めたって意味ないでしょう。
監督なら監督らしく選手たちに
指示とか作戦立てたらどうですか」
「でもさぁ――」
「でもじゃない!!やりなさい!」
堪らず怒鳴ると監督は背筋を伸ばして、
「ハイ!しますします!
あ、でも試合終わったみたいだぞ」
「…………」
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