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余計な気遣い
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(あ……またどうせ何か言ってくるだろうな。
ヤレヤレ面倒くさいな)
「んじゃ、お前ん家に行って
一緒にお勉強でもすっか」
「そんなこと言ってトシ、いっつもTV観て
ご飯食べたらそのまま寝るくせに」
(ホラホラ、もうすぐ“オーイ岩倉”って)
「つか、お前のベッド狭まくね?
前の時お前に落とされて風邪引きかけたぞ」
が、予想に反して監督はそのまま
俺たちの横を素通りして行ってしまった。
(アレ?何も言わずに行った?
珍しい、でも良かった。捕まらなくて)
最初は単純に気が付かなかったのだと
思っていた。
でも回数が重なる毎に
流石に俺もその法則性に気がつく。
トシといる時だけ、
例え話してなくても傍に居る時に限って
監督は絶対に話かけてこないってことに。
何なんだよ、
普通に話しかけてくれば良いのに。
トシの時だけとか、それこそ
余計な気を回しすぎ。
逆にこっちが意識する羽目に
なるじゃないですか。
「……ったく」
俺、なんか最近トシのことより
この問題監督のことを
考えてること多くないか?
すっごく不本意極まりなんだけど。
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