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俺かアイツか
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「幼馴染は良いのか?」
「トシの事はもうだいぶ前に諦めました。
もうとっくにそんな目で見てません」
「でも、ベッドで一緒に寝たりしてるんだろ?」
あの時の会話……やっぱり聞かれてたんだ。
「それは……アイツが勝手に、
それにそういう意味じゃな……」
バンっ!!
壁に手をつかれて監督の顔が近づく。
「……!」
「だとして、イイ気はしない。
アイツとじゃれてるのを見るのも
そんな話を聞かされるのも。
―――だろ?
惚れた相手が別の男と一緒のベッドで寝てるとか」
「だからそんな意味じゃ――」
「俺かアイツかまだ迷いがあるんじゃない?」
その言葉に俺はまじまじと監督を見返した。
監督は真顔でフザけた感じはまるで無くて
それがかえってショックだった。
これでも考えた上で意を決して
自分の素直な気持ちを伝えたつもりだったのに
根本を否定された気がしたからだ。
まるでトシがダメだから監督に乗り換えたみたいに
捉えられている、そう感じた。
「やめて下さい、そういうの。
二人に同時にとか俺、器用じゃない。
……それとも、そんなにいい加減見えますか?」
「いいや、見えない。
確かめたかっただけ……悪かった」
監督はそう言ったけど
多分、疑ってる。
俺を見る目がそう告げてる気がした。
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